突然ですが、あなたはこんな悩みをお持ちではありませんか?

「唇の色が悪くて、リップカラーやグロスをつけずにいられない」
「ノーメイクだと唇の血色が悪くて不健康に見える」
「10代の頃は唇の血色がよくてキレイだったのに、最近、くすんでいる気がする」

女性に多い悩みですが、積極的に唇のケアをしているという方はそれほど多くありません。ここでは華やかな印象を与えるための、理想的な唇の色を実現するための方法や唇の色が悪くなる原因について詳しくお話ししていきます。

【監修医師からのワンポイント】

リップの色やボリュームはお顔全体の印象に関わる重要な要素です。毎日丁寧なケアを心がけて、綺麗な唇を保ちましょう。美容医療を上手に活用することもおすすめです。

目次

1.理想的な唇の色=自然に血液の色が透けた「薄いピンク色」

空気が乾燥する季節になると、唇の荒れが気になることってありますよね。そしてもうひとつ、唇の色が気になることもあります。ところで、理想的な唇の色ってどんな感じだと思いますか?

正解は、自然に血液の色が透けた”薄いピンク色”です。
肌の一番上には表皮層と呼ばれる層があります。さらにこの表皮層の一番上に位置しているのが「角層」と呼ばれる層です。頬やおでこなど、皮膚の部分は角層部分に厚みがありますが、唇の角層は非常に薄くなっています。そのため、粘膜部分が透けて見えるので肌の他の部分と色が違って赤っぽい色をしているのです。

正常な状態では、健康な血液がピンク色に透けて見えます。これが理想的な唇の色、状態です。つまり、唇が白っぽかったりどす黒かったり、紫がかっていたりする場合には、身体の内部になんらかの問題が生じている可能性もあるということになります。

また、唇は皮脂腺や汗腺がないため、乾燥しやすくバリア機能が低下しやすいパーツ。乾燥によって白っぽくカサついたり、乾燥する季節に切れやすいのはこうした理由があったのです。

1-1.色素沈着で唇の色が悪くなることも!

唇の色の変化が起こる原因として、もっとも一般的なのが、「色素沈着」です。色素沈着が起こる原因をチェックしてみましょう。

■メイクが原因で起こる色素沈着

あなたは普段、どんなリップメイクアイテムを使っていますか? また、1日の終わりにはリップメイクをどのような方法で落としているでしょうか。

ティッシュで軽く拭ったあとにクレンジング剤で優しくマッサージしながら落している場合は問題ありませんが、何度もゴシゴシこすって落としていたり、その逆にクレンジングが不十分だったりした場合には、摩擦による刺激や色素沈着による黒ずみが起こり、唇の色が悪くなってしまうことがあります。

昔から、「口紅をきちんと落とさないと色素沈着する」と言われていますが、これは事実ではありません。一般的な口紅やリップカラーは唇の上に色がのっているだけの状態。色が肌にしみ込むことは、まずありません。むしろ「色素沈着しないようにゴシゴシこすり落とす」ことが問題であると言えます。

■リップティントは色素沈着しやすい?

「リップメイクの色素が沈着することはほとんどない」といっても、最近話題の「リップティント」や「落ちにくいグロス」と呼ばれるタイプは別です。一般的なリップカラーは着色剤の粒子が大きい「顔料」を使用しているため、色素沈着しにくいのですが、リップティントに使用される「染料」は着色剤の粒子が細かく、水分や油分に触れたり、摩擦が起きたりしても落ちにくく作られています。

粒子が細かいだけに、唇の溝に入り込みやすく、少量で発色する、落ちにくいというメリットがあるものの、色素沈着が起こりやすいのです。特に「ウォーターティント」と呼ばれるタイプは、唇に浸透しやすいので、落ちにくいと言えます。また、染料はアレルギーを起こしやすい成分でもあるので肌が弱い人は注意が必要です。

染料を使ったタイプのリップメイクアイテムを使用するときは、ポイントメイクリムーバーを使用するといいでしょう。

・DHC ポイントメークアップリムーバー

出典 https://www.dhc.co.jp/

二層式のクレンジング。しっかりメイクもすっきり落とし、潤いをキープしてくれます。価格は1,016円。

■紫外線の影響による色素沈着

また、何もつけていない唇が大量の紫外線を浴びることによっても色素沈着が起こり、唇の色が悪くなってしまうこともあります。顔の肌には日焼け止めを塗っても、唇は無防備という方は意外に多いのでは? 唇にシミができるとなかなか取れにくいので、UVカット効果のあるリップクリームや下地を使用するのがオススメです。

・DHC UVモイスチュア リップクリーム

出典 https://www.dhc.co.jp/

乾燥をケアしながら、UVA(紫外線A波)とUVB(紫外線B波)の両方をカット。かさつきを防ぎながら、健康的な血色のリップをキープしてくれます。価格は880円。

■新陳代謝が速い唇。色の悪さが長引く場合は注意

角層が薄い唇は肌の他の部分に比べ、新陳代謝のスピードが速く、仮に色素沈着が起きても、古い角層細胞と一緒にはがれ落ちやすく、元の色に戻りやすいと言えます。それだけに、唇の色の悪さが長引く場合は何らかのトラブルが起きている可能性を考えた方がいいでしょう。

1-2.唇が白いときに考えられること

全身の血行不良や貧血が起こっている可能性があります。白っぽい唇は、寒い季節に限らず手足が冷たくなっているなど、元から体の冷えに悩んでいる人に起こりやすいと考えることができます。その他にも、極端な食事制限によるダイエットで、めまいや立ちくらみの状態が起こっている人も要注意です。

このような状態が起こっているのであれば、温かいお風呂にゆっくりつかって身体を温める、適度な運動を行う、ダイエットを中止して栄養バランスの整った食事の摂取を心がけるなどの処置や生活習慣の改善を考える必要があります。

1-3.唇が紫っぽい、黒っぽい。唇の色の変化に病気が隠れているケースも

唇が紫っぽい、黒っぽいといったときは、なんらかの病気が潜んでいることもあります。唇の色が悪い=病気と考える必要はありませんが、長年、喫煙しているという方や不規則な生活、偏った食生活が続いているという方や、体の他の部分にも不調を感じているという方は、病院の診察を受けてみることをおすすめします。

■紫っぽい色をしている

何らかの原因で血行不良が起きていることが考えられるケースです。心肺機能が低下すると、血液循環が悪くなり、血液中の酸素が足りなくなって血管を通る血液の色が青っぽい色や紫っぽい色になることがあります。

■唇の色がどす黒い

喫煙によって血液循環が低下しているケースや喘息や肺気腫などで肺へ送られる酸素が不足しているケース、心不全や動脈硬化などの末梢うっ血が原因で唇の色が悪くなることも。肝臓になんらかの機能障害が現れている可能性も考えられます。

2.セルフケアで理想的な唇の色を目指す方法

軽度の唇のくすみや乾燥によって白っぽくカサカサになった状態はセルフケアでも改善させることができます。手軽にできるリップケア方法とおすすめのアイテムを紹介しましょう。

2-1.生活習慣の見直しでピンク色の唇に

血流低下を招く、冷えや運動不足、無理なダイエットはストップしましょう。バランスのとれた食事を心がけ、血流を改善する効果のあるビタミンE、血液中の酸素を運ぶのに欠かせない鉄分などを意識してとるようにしましょう。野菜やくだものをあまり食べる機会がない方はサプリメントを利用してみてもいいでしょう。

また、睡眠不足も体温の低下を招き、血流を悪くします。しっかりと睡眠時間をキープすることで、唇だけではなく、肌のダメージも回復していくはずです。

2-2.唇用ピーリングや保湿アイテムでのケア

シミの予防や改善のために、セルフでピーリングケアを行っているという方は多いのではないでしょうか? これを、唇にも同時に行ってみてください。美容皮膚科で行うケミカルピーリングほど強力な効果は望めませんが、週1回程度ケアを行っていくうちに、徐々に唇は本来の色を取り戻してくれるでしょう。

唇専用のケアのポイントは「古い角質の除去」「保湿」「ビタミンCでのケア」。ただし、本来、唇は新陳代謝早いパーツ。ピーリングやスクラブをやりすぎると、かえって唇が乾燥しますので注意しましょう。

・石澤研究所 トレンドホリック リップピーリング

出典 https://www.ishizawa-lab.co.jp/

シュガースクラブにビタミンC,はちみつを配合したリップピーリング。くすみやかさつき、唇の縦じわなどにアプローチできます。価格は1,430円。

・LUSHリップスクラブ・バブルガムフレーバー

出典 https://www.lush.com/

砂糖のスクラブが古い角質をやさしく除去。ホホバオイルでしっとりつややかな唇に整えてくれます。くるくると優しくマッサージすることで、血行も促進され、理想的なピンク色の唇に。価格は20g1,200円。

・アテニア エンリッチリップオイル

出典 https://www.attenir.co.jp/

くすみを防ぐMプラセンタEXと、潤いを保つ効果のあるアルガンオイル、オリーブオイル、シアオイルを贅沢に配合。これひとつでぷるぷるツヤツヤの唇に。唇のアンチエイジングケアにも。価格は1,320円。秋冬の限定商品なので、春以降は売り切れてしまう場合があります。

・DHC V/Cホワイトスティック

出典 https://www.dhc.co.jp/

高濃度ビタミンCでくすみのない唇に。オリーブオイルやオリーブスクワラン、うるおいをプラスするローヤルゼリーやニンジンエキスも配合しています。使い続けているうちに、くすみや黒ずみ、縦ジワが改善してきたという口コミも多数あります。価格は2,200円。

■唇は身体の中で最もターンオーバーが早い部分

私たちの皮膚は日々ターンオーバーを繰り返しており、20代では28日前後の周期、30代~40代では35日以上と、年齢とともにその周期は長くなります。

ところが、唇の皮膚のターンオーバーだけは、約5日周期で繰り返されているというのですから驚きです。
つまり、きちんとクレンジングを行い、紫外線のブロックを心がけながらケアを行うことにより、短い期間で薄い綺麗なピンク色をした唇を取り戻すことができる可能性が高いというわけです。

3.唇のくすみを美容外科・美容皮膚科で改善する方法

丁寧なクレンジングやリップケアアイテムでのお手入れをしても、唇の色がなかなか改善しない場合、美容皮膚科や美容外科で治療を受けるという方法もあります。ここからはクリニックで理想的な唇の色を目指す方法についてお話ししていきます。

3-1.唇のくすみをレーザーやイオン導入系の治療でケアする方法

最も一般的な治療法には、レーザー治療がありますが、ケミカルピーリングやイオン導入、ハイドロキノンによる治療が行われることもあります。

■ロングパルス ヤグレーザー

軽度の熱作用が深い部分まで到達するレーザー。唇専用のヘッドが用意されている機種を使った「唇トーニング」を受けられるクリニックもあります。くすみの原因となるメラニンに少しずつダメージを与えながら、排出しやすい状態にしていきます。肌から少し離して照射するため、施術中は温かいシャワーを浴びているような感覚に。術後、少し赤みが出るだけでダウンタイムはほとんどありません。

■ほくろやシミを除去したいなら、炭酸ガスレーザー&Qスイッチヤグレーザーの併用も

全体的なくすみや黒ずみだけではなく、部分的に気になるシミがある場合、2種類のレーザーを併用することもあります。シミを蒸散させて除去する「炭酸ガスレーザー」と広範囲のメラニンに作用する「Qスイッチヤグレーザー」を併用すれば、よりクリアな唇に。

■ピコレーザートーニング

一般的なレーザーが光を熱エネルギーに変換して、メラニンにはたらきかけるのに対し、ピコレーザーは光そのものがメラニンにアプローチします。同時にコラーゲンの活性化にもつながるため、唇のくすみ除去とハリの向上に1回でアプローチすることが可能です。

■ソノイオントリートメント

超音波導入とイオン導入を同時に行うことができるのが、ソノイオントリートメント。水溶性、脂溶性どちらの成分も浸透させることができるのがメリットです。唇のトーンを明るくして、血色のいいピンク色を目指すなら、ビタミンA、ビタミンEの導入がおすすめ。

3-2.唇のくすみをトラネキサム酸やハイドロキノンで治療する方法

■トラネキサム酸注射

メラニンの生成を抑える効果のあるトラネキサム酸を注射する方法。レーザー治療のアフターケアとして実施されることもあります。細い針で注射するため、痛みも最小限に抑えられています。

■ハイドロキノンの外用

肌の美白と同じように、ハイドロキノンを外用することもあります。ただし、濃度の濃いハイドロキノンは炎症を引き起こすこともあるため慎重に治療を行う必要があると言えるでしょう。

3-3.美容外科・美容皮膚科で唇の治療を受けるときに知っておきたいこと

レーザー治療を行った際には、数日のダウンタイムを経たのちにかさぶたとなって皮膚が剥がれることがありますので、この部分については事前にきちんと説明を受けておいて下さいね。

4.まとめ

血色のいいピンク色をした唇はそれだけで、若々しく健康な印象を与えてくれます。また、くすんだ色の唇はどんなにキレイな色のグロスやリップカラーをのせても、思った通りに発色してくれません。理想的な唇の色を目指すなら、日ごろの紫外線防止、保湿ケアだけではなく、美容外科・美容皮膚科でのスペシャルケアを取り入れてみるのもいいいのではないでしょうか。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込です。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

yamada

山田美羽

美容系ライター。エステから美容医療まで歴20年。

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監修:

和田亜美 医師

芦屋デコルテクリニック

奈良県立医科大学卒業。大阪船員保険病院などで8年間にわたり腹部外科に従事し、その後大手美容外科などで院長として治療を行う。美容外科歴は10年。婦人科形成症例は6,000件以上。2024年芦屋デコルテクリニック院長就任。
得意な施術は、目周り、輪郭、美肌治療。またスレッドリフト、モノスレッドの講習会も行っている。

2006年 奈良県立医科大学 卒業
2006年 大阪船員保険病院 入職
2012年 大阪大学附属病院 入職
2013年 済生会 富田林病院 入職
2014年 湘南美容外科 入職
2015年 湘南美容外科 大阪駅前院 院長
2019年 某美容クリニック 院長
2019年 La Clinique Osaka 院長
2024年 芦屋デコルテクリニック 院長

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

  • 住所: 兵庫県芦屋市茶屋之町2-21 メイピース芦屋1F2F
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  • 院長: 和田 亜美
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