薄毛といえば男性特有の悩みのように思われがちですが、最近は抜け毛の相談のためにクリニックを訪れる女性が増えています。女性の薄毛は加齢が大きな原因ですが、ストレスや生活習慣の乱れなどによって抜け毛に悩まされる若い女性も少なくありません。このような女性の薄毛を改善してくれる内服薬として注目を集めているのがヨーロッパにおいて世界で初めて安全性と効果が認められた女性の薄毛のための治療薬、パントガールです。ここではパントガールとはどんな薬なのか、その効果などについて詳しく説明していきます。

目次

  • 1.女性の薄毛のための内服薬・パントガールとは
  • 1-1.7割が実感!パントガールの効果とは
  • 1-2.パントガールの成分
  • 1-3.パントガールの飲み方・効果が出るまでにどのくらいかかる?
  • 1-4.パントガールの副作用
  • 2.パントガールの入手方法
  • 2-1.パントガールはクリニックで処方もらう必要アリ。その価格は?
  • 2-2.パントガールをクリニックで処方してもらうべき理由
  • 2-3.パントガールは通販でも買える?
  • 2-4.パントガールが効かないこともある?
  • 3.まとめ

1.女性の薄毛のための内服薬・パントガールとは

女性の薄毛のための内服薬・パントガールとは

出典 https://www.merztherapeutics.com/

昔から、男女問わず薄毛のトラブルは解消しにくいと考えられてきましたが近年、ミノキシジルを配合した育毛剤やフィナステリドの内服薬など一定の効果がある治療薬も登場しています。しかし、これらの治療薬は男性の薄毛に効果がある医薬品。フィナステリドは女性の服用は禁忌とされています。これに対し、パントガールは女性のために作られた薄毛治療の内服薬です。さっそくその詳細を見ていきましょう。

1-1.7割が実感! パントガールの効果とは

パントガールはドイツの製薬会社メルツ社が開発した女性の薄毛に対する治療薬です。メルツ社は1908年に創業した企業で主に瘢痕治療や脱毛など、皮膚の治療薬やスキンケア製品などの開発・製造で知られています。

女性の薄毛は加齢によるホルモンバランスの変化や出産後に起こる分娩後脱毛症のほか、ストレスや急激なダイエット、生活習慣の乱れなどによるホルモンバランスや栄養不足などが原因で起こると考えられています。
これらの原因によって、毛根の栄養不足が起こり、毛母細胞の機能が低下すると、毛髪が伸び続ける成長期が短くなって、抜け毛が増えてしまうのです。

パントガールは健康な毛髪を作るために欠かせない成分を補いながら、毛母細胞の細胞分裂を活性化することによって毛髪の成長期を伸ばし、抜け毛を減らしながら毛髪を太く丈夫にしていきます。使用後、約3カ月で7割の人が効果を実感したという臨床結果が出ています。

また、パントガールはストレスが原因で起こると言われている円形脱毛症の治療の一環としても用いられることがあります。

フィナステリドを初め、これまでも男性の薄毛を治療する内服薬はありましたが、女性と男性で薄毛が起こるメカニズムが異なるため、男性の治療薬を女性が飲むことはできませんでした。また、医薬品として認められている育毛剤の成分、ミノキシジルでも副作用が出ることがあり、これまで女性の薄毛にアプローチできる安全な医薬品はほとんどなかったのです。

男性の薄毛は前髪の生え際部分がM字に後退したり、頭頂部が薄くなるなど部分的に起こるのが特徴です。これに対し、女性の薄毛は全体的に薄くなる「びまん性脱毛症」と呼ばれるもので、症状も原因も異なるため、別のアプローチが必要と考えられていました。

■美しい髪を取り戻すサポートをするパントガール

女性にとって髪は命ともいえる大切なもの。毎日、80~100本程度抜け毛があるのは正常な状態と言われていますが、季節によって抜け毛が増えたり、出産後にごっそり髪が抜けたりすると落ち込んでしまいますよね。

また、紫外線やパーマ、カラーリングなどで髪が細くなってボリュームが減ると女性らしさが損なわれたように感じることもあるかもしれません。ボリュームが減ると、ヘアスタイルも決まりづらくなり外出するのがおっくうになるという人も。更年期を迎える世代の女性も髪のボリューム減に悩んでいる方が多いのではないでしょうか。

パントガールはこのような女性の抜け毛を減らすサポートをしてくれるだけではなく、美しくつややかでボリュームのある髪を取り戻すサポートもしてくれます。

実際、海外ではファッション業界で活躍するモデルたちの間でもパントガールの愛用者が多いのだとか。また、パラアミノ安息香酸の作用で白髪の予防にも効果が期待できるのでは?という意見もあります。

1-2.パントガールの成分

7割の人が効果を感じたというパントガール。効果が高いだけに、刺激のある強い成分が含まれていないか気になるところ。パントガールには以下の成分が含まれています。いずれもサプリメントにも使用されるような安全性の高い成分ばかりです。

  • ・ビタミンB1 毛根の代謝を活性化する成分。ストレスを和らげる作用も
  • ・ケラチン 毛髪の主成分となるたんぱく質
  • ・シスチン たんぱく質ケラチンの主成分。髪や爪の元になる。抗酸化作用もある成分
  • ・チアミン 毛根の代謝を活性化する成分
  • ・パントテン酸カルシウム(ビタミンB5) 
    細胞分裂を活性化し、毛髪を正常な状態に保つ成分。ビタミン剤などにも含まれる成分
  • ・パラアミノ安息香酸  細胞の再生をサポートする成分。髪の色を濃くする作用も期待できる
  • ・薬用酵母 毛母細胞の代謝に必要なビタミンやミネラルの働きをサポート

これらの成分を合わせて配合することで、毛母細胞が新しく毛髪を作り出す作用を活性化します。ヘアサイクルの中の成長期の期間を正常に戻すことで抜け毛を減らし、しっかりとした髪が育つようサポートしてくれるのです。

毛髪の元となるケラチンやシスチンは健康な爪のためにも欠かせない成分です。パントガールを飲んでいる人から「爪が丈夫になった」「2枚爪になりにくくなった」という嬉しい声も。女性には嬉しい効果ですね。

1-3.パントガールの飲み方・効果が出るまでにどのくらいかかる?

パントガールの飲み方・効果が出るまでにどのくらいかかる?

パントガールはカプセル1錠を1日3回、水と一緒にかまずに服用します。熱に弱いビタミンやミネラルが含まれているので、熱い飲み物と飲むのは避けるようにしましょう。ビタミンBは水溶性ビタミンの一種でたくさん摂取しても過剰な分は体の外に排出されてしまうので、まとめて飲むよりも1日3回に分けて飲んだ方が吸収性もアップし、効果も得られやすいようです。

■ヘアサイクルが正常化するまで飲み続けることが大切

パントガールは最低でも3~6カ月程度、根気よく服用するのがポイントです。毛髪にはヘアサイクルと呼ばれる周期があり、パントガールがはたらきかけるのは新しく作られる毛髪。そのため、パントガールを服用してもすぐに効果が現れるわけではありません。

育毛剤も最低、半年は使ってみるべきと言われていますが、パントガールも同様。3カ月の服用で約7割の方が「抜け毛が減ってきた」「髪の毛が丈夫になってきた」という変化を実感しているので、頑張って飲み続けてみましょう。

飲み始めて数週間は、乱れたヘアサイクルによって起こる抜け毛が続くことが考えられます。効果を実感できるまで、まずは3カ月は続けてみるようにしてください。

1-4.パントガールの副作用

パントガールはアミノ酸やビタミンなど、安全性の高い成分で作られているため、副作用が起こりにくい治療薬であると言えます。

また、サプリメントと違って医薬品であるパントガールは、一定の効果だけではなく高い安全性も求められているため、多くの臨床試験が行われている製品です。これは長期間内服することが可能であるということでもあります。現在までのところ、他の薄毛治療薬のような副作用の報告はほとんどありません。

ただし、メーカーではごくまれにではあるものの、以下のような副作用が起こり得るとしています。

  • ・発疹やじんましん、かゆみなどの皮膚反応
  • ・胸やけや吐き気、嘔吐、めまい、頭痛、胃の痛み
  • ・腹痛や下痢
  • ・動悸や脈が速くなるなどの異常

また、抗てんかん薬などのスルフォンアミド系製剤を服用している方はパントガールを飲む前に必ず医師に相談するようにしてください。その他、持病の治療などでお薬を服用している方も同様です。

妊娠中や授乳中の服用は控えたほうがいいでしょう。分娩後脱毛症が気になる場合、まずは婦人科の診察を受けてから飲み始めるようにしてください。また、パントガールを飲み始めて、体調に変化が現れるなど、おかしいなと感じたらすぐに飲むのをやめるようにしましょう。

2.パントガールの入手方法

安全性の高い成分で、毛母細胞のはたらきを活性化し丈夫で健康な髪が育つサポートをしてくれるパントガール。ドイツの大手製薬会社が製造しているだけに、信頼度も高めです。薄毛に悩む女性にとっては朗報になりそうですが、日本ではどのような方法で入手できるのでしょうか。

2-1.パントガールはクリニックで処方もらう必要アリ。その価格は?

パントガールは世界30か国以上で使用されている治療薬です。海外では処方箋がなくても、薬局で購入することができますが、日本では皮膚科や薄毛専門のクリニックで処方してもらう必要があります。

クリニックでのパントガールの価格は1カ月分90錠が7,000~15,000円程度。この他に初診料や再診料などがかかります。最低でも3~6カ月飲み続けなければならないことを考えると、ちょっと高いな……と感じる方が多いかもしれません。

ただし、クリニックによってかなり価格に差があるので、安く処方してくれるクリニックを探してみるといいでしょう。

2-2.パントガールをクリニックで処方してもらうべき理由

パントガールをクリニックで処方してもらうべき理由

脱毛の原因はさまざまです。加齢、妊娠によるホルモンバランスの変化、ストレス、急激なダイエットなどの他、インフルエンザのような急性感染症や発熱、甲状腺疾患、ストレスによる抜毛症(髪を抜いてしまうクセ)まで、自分でも原因が把握できていないこともあるかもしれません。場合によっては、内臓の病気が潜んでいることもあるかもしれないのです。

医師の診察や血液検査などを受ければ、薄毛や抜け毛の原因を把握することが可能です。また、パントガールの効果があるかどうかも判断してもらうことができるので、安心して薄毛治療を始めることができます。

実際には海外において、原因不明の抜け毛や、遺伝による薄毛でもパントガールの効果が現れたという報告もあります。小さいころから、毛髪が薄く、縮れていて肩より下に伸びなかったという女性がパントガールを服用するようになってから、髪が肩より長くなり、カラーリングまでできるようになったという例もあり、パントガールの適応は広いと言えます。まずは、薄毛治療を行っている病院や皮膚科などの診察を受けてみるようにしましょう。

2-3.パントガールは通販でも買える?

パントガールは世界30カ国で販売されており、販売する国によって若干、配合されている成分の量が異なるそうです。おもにドイツ製とスイス製、オーストリア製などがあり、主成分のひとつであるL-システインの配合量が異なります。ドイツ製とスイス製が20mgであるのに対し、オーストリア製は220mg。クリニックで処方されるのはスイス製のものが多いようです。個人輸入サイトではオーストリア製の価格の方が若干高めです。

個人輸入のサイトではパントガール1カ月分が7,000円程度で購入できるところもあります。長く続けることを考えるとうれしい価格ですが、個人輸入の場合、偽物が混ざっている可能性を完全に否定することができません。効果がないだけならまだしも、体に害を与える成分が入っていたとしたら、大変なことになってしまいます。

また、個人輸入で購入した医薬品で万が一副作用が出た場合、日本の医薬品副作用救済制度の対象になりません。やはりパントガールは医師の指導のもと、正規品を服用するようにするべきでしょう。

2-4.パントガールが効かないケース

ケガによる脱毛や毛根部分が瘢痕(はんこん=傷跡)になっているようなケースでは効果がありません。また、パントガールは男性も飲むことができますが、主に女性のびまん性脱毛症の治療薬なので、男性特有の薄毛への効果はそれほど期待できないでしょう。

3.まとめ

いかがでしたか? 薄毛治療の医薬品といえばこれまで副作用がつきものでした。また、市販の育毛剤では効果が得られないという声も多いですよね。パントガールは安全性の高い成分で作られていて、飲んだ人の約7割が効果を実感しているという優秀なお薬です。パントガールを試してみたいという方は、まず、薄毛治療を行うクリニックや皮膚科で相談してみてはいかがでしょうか。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込です。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。

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