「顔がもう一回り小さかったら、全体のバランスがよく見えるのに……」そんな風に思ったことはありませんか? 背が高くても低くても、小顔で頭身が多くみえればバランスの取れた体型に見えて「スタイルのいい人」という印象を与えることができます。ここでは女性の誰もが憧れるきゅっと引き締まった小顔になるための方法について詳しくご紹介しましょう!

【監修医師からのワンポイント】

たるみが少なくフェイスラインの引き締まったお顔は、顔のどのパーツを整えるよりも最も重要なアンチエイジングのポイントになります。顔の骨格、脂肪・筋肉のつき方を正確に把握しアプローチすれば必ず理想の輪郭に近づくことができます。非手術治療で得られる小顔治療も最近では多く、是非ご自身に合った治療を実践してみては如何でしょうか。

目次

1.小顔になる方法とは

ひとことで小顔といってもバランスがよく見える顔の大きさは人によって違います。小顔を目指す方法を考えるまえに、小顔の目安や顔が大きくなってしまう原因を理解しておきましょう。

1-1.小顔ってどのくらいの大きさ?

スタイルがいい人のことを「あの人は8頭身だから……」なんていいますよね。日本人女性の顔の長さの平均は約23cm。ちょうど箱型のティッシュくらいの大きさになります。ティッシュの箱と比べてみてそれより小さければ小顔ということに。

とはいえ、同じ23cmでも身長が170cmの人と155cmの人では見え方が異なります。ここで考えてみるべきなのが「頭身」です。頭身は身長が頭何個分に値するかという数値。例えば、同じ23cmの顔の人の場合

  • ・170cmなら170÷23=7.3頭身
  • ・155cmなら155÷23=6.5頭身

となり、170cmの人の方がバランスがよく見えることになります。逆に言えば、背が高い人は顔が多少大きくてもバランスがよく見えるということになりますね。

これは同時に頭身が多ければバランスがよく見え、背が高く見えるということ。周りの人が近くに来たとき「意外に背が高いんだね」と言われたことのある人は要注意。ぱっと見で背が低く見えているということは頭身が少ない、すなわち顔が大きく見えているということ。逆に近くに来たとき「意外に背が低いんだね」と言われたら、頭身が多く見えている=小顔に見えている可能性が考えられます。

1-2.顔が大きくなる原因とは

顔が大きくなる原因とは

出典 http://www.photo-ac.com/

では、顔はなぜ大きく見えるのでしょうか。大きく分けて以下の原因があります。

  • ・骨格の違い
  • ・筋肉のつき方
  • ・脂肪のつき方

小顔を目指すためには、まずは自分の顔がなぜ大きいのか見きわめる必要がありそうですね。では、原因をひとつひとつ見ていきましょう。

■骨格の違い

ひとつめは骨格の違いです。頬骨が高く、エラが張っていることが多い日本人の骨格は横幅が長くなり顔が大きく見えがち。海外に行ったときに欧米人の骨格を目の当たりにして「日本人とは頭蓋骨の大きさが違う……」と思ったことのある人もいるのでは?

残念ながら、骨格は痩せても変えることはできませんが、歪みを矯正することで数ミリ単位ですが引き締めることはできるようです。猫背など姿勢の悪さも骨格のゆがみにつながり、顔を大きく見せる原因になるのだそう。

■筋肉のつき方

筋肉のつき方、発達のしかたによっても顔の大きさは変わってきます。エラが張って四角い顔の人は咬筋(こうきん)と呼ばれる、ものを噛むときに使う筋肉が発達していることが多いようです。夜寝るときに歯ぎしりをしたり、集中している際に奥歯をかみしめる癖がある人は要注意。

特に歯ぎしりをする人は寝ている間に咬筋に強い力を入れているため夜間に咬筋の筋トレをしている状態。また咬筋の周りの血液・リンパ液もうっ滞し、咬筋の凝りや首肩凝り、頭痛にもつながります。その他にも、片側だけでものを噛んだり、頬杖をついたりといった習慣も咬筋に影響を与えることもあります。

食事のときに片側だけでものを噛んでいるという自覚のある方は、普段使わない方でガムを噛んでみるとよいでしょう。

・表情筋の衰えが顔を大きく見せることも!

年齢とともに顔が大きく見えるようになるのは、咬筋や口の周りの筋肉である「口輪筋(こうりんきん)」、頬を持ち上げる「頬筋(きょうきん)」の衰えによるものだと考えられています。これらの筋肉が加齢によって衰えると、顔の脂肪を支えきれなくなります。すると脂肪が下垂して頬のラインがたるみ、顔が四角くなって大きく見えることに。

もともとの日本語の発音は口を大きく開ける必要がないため、日本人は表情筋全体の3割程度しか使っていないということが分かっています。若いうちから人と話す機会が少なかったり、デスクワークでパソコンに向かったりする機会が多い人は首が前方に下がり首・肩にダイレクトに負荷がかかり、血流の悪化から顔が浮腫みやすくなったり、顔の表情筋を使う機会が少なくなり、顔がたるみがち。若いうちからフェイスラインがたるんで顔が大きく、老け見えしてしまうこともあるのです。

■脂肪のつきかた

もともと、顔の皮下脂肪が多い人はもちろん、噛み方のクセや歪みなどで顔の片側だけに脂肪がついてしまうことがあります。

1-3.セルフケアで小顔を目指す方法

毎日できる簡単な方法で小顔に近づける方法を考えてみましょう。

■家庭用美顔器

・EMS(Electrical Muscle Stimulation)美顔器

自宅でも実践できる電気で顔の表情筋に刺激を送ることのできる美顔器です。
ハンディタイプ、ブラシタイプ、マスクタイプ、カッサタイプが販売されており、顔のみならず頭皮などにもアプローチし、顔のたるみケアを行うことができます。
ホームケアで使用できるので、毎日継続使用が可能で、価格は10,000円代~60,000円代までラインアップがあります。

1-4.メイクで小顔を目指す方法

・コントゥアリング

顔の高く見せたいところにハイライトを、引き締めて見せたいところにシェーディングを入れることで小顔かつ引き締まったシャープな顔立ちに見せるメイクテクニック。ハリウッドセレブのSNSでもよく紹介されています。フラットな顔立ちの人が多い日本人にはぴったりのメイク方法かも。手っ取り早く小顔を演出したいときにおすすめです。

2.小顔を目指す方法・美容外科、美容皮膚科編

小顔を目指す方法・美容外科、美容皮膚科編

出典 http://gahag.net/

マッサージやメイクなど小手先だけの小顔では満足できない!という人は美容外科・美容皮膚科での施術を受けることを考えるのもひとつの方法です。ここからは美容外科・美容皮膚科で受けられる小顔施術について紹介していきます。

2-1.ボトックス注射・ヒアルロン酸

咬筋が張って顔が大きく見えているような人には「エラボトックス」が有効。奥歯をかみ合わせたときに、咬筋が強く張り出してくる人は適応になります。ボトックス注射には筋肉の動きを和らげてゆるめる作用があります。咬筋の動きが和らぐことで次第に筋肉も細くなっていくので、繰り返し打つことでより持続性高い効果が望めるようになります。咬筋に注射を打つだけなので施術時間も短く、ダウンタイムもほとんどありません。

ヒアルロン酸は注入物を顔に足すことで凹みの治療として用いられます。顔に注入物を足すのでしばしば顔が大きくなるのでは?と心配されることもあるようですが、適切な部位に適量入れることで、顔全体のリフトアップや立体性を増すことができるので、顔の引き締まった小顔効果を生むことができます。

2-2.BNLS注射

植物性の成分を主成分にした脂肪溶解、リンパ改善、肌の引き締め効果のある成分を直接顔に注射することで、顔痩せをはかり小顔に導くという注射。脂肪のつきすぎによって顔が大きく見えている人に効果的な方法です。

ヒバマタ(海藻)抽出物、セイヨウトチノキ、ペルシャグルミ、オキナグサ、カラクサケマンといった植物性の成分にチロシン(アミノ酸)やアデノシン三リン酸などを配合。炎症を抑える成分も含まれているので、腫れや赤みなどを最小限に抑えることができます。

2週間に1回を数回行うことが推奨されており、費用も比較的安い施術。価格は顔用1本当たり9,800~15,000円程度となっています。ボトックスやヒアルロン酸と併用することでよりシャープな小顔を目指すことも可能です。

2-3.HIFU

フェイスラインのたるみを解消してくれるHIFU(高密度焦点式超音波)はフェイスラインにかけてのたるみや筋肉の衰えによって顔が大きく見えている人にオススメです。

皮膚を支えている「SMAS(表在性筋膜)」に高周波の超音波によって筋膜層に熱刺激を与えるのに加え、創傷治癒効果によって真皮層にあるコラーゲンの増殖を図り、肌の引き締めにより小顔を目指すことができます。引き締めを行うので将来的なたるみ予防にも。

施術直後から効果発現を実感することが出来、数カ月間持続するので、自然な小顔効果が現れます。3カ月に1回程度行うとより良い効果を発揮すると言われています。費用は顔全体で180,000~400,000円程度。

2-4.RF治療 ーニードルRFー

RF治療の中でも注目されているのがニードルRF治療です。肌に有効な成分の薬剤をマイクロニードルで導入しながら(ドラッグデリバリー)、同時に引き締めも行える機器です。

ニードル治療により肌のコラーゲン増殖をはかりながら、RF(ラジオ波)を直接真皮層に当てることでリフトアップ効果をはかります。施術後の赤みなどのダウンタイムも少ないのが特徴。ドラッグデリバリーシステムにより、引き締めと同時に肌治療(赤み、肝斑、クレーター)も行えるのが最大のポイントです。価格は20,000円~。

2-5.脂肪吸引

耳の裏側や顎下の目立たない部分からカニューレを挿入して脂肪を吸引し、取り除く施術。脂肪そのものが減少するため、変化量が大きな治療法です。吸引後約1週間程はむくみや内出血を予防するため、フェイスバンドでしっかりと固定する必要があります。脂肪のつき方で二重顎になっている場合や頬の脂肪がたるんで法令線が深く見えている方に効果的な方法。

脂肪をどのくらいどこから吸引するかがダイレクトにフェイスラインに影響するため、施術する医師の高い技術や美的センスが要求される方法です。「とにかくたくさん脂肪をとって欲しい」という患者さんがいますが、あまりにもたくさんの脂肪をとりすぎると、頬がコケたり、凸凹ができたりするリスクも。信頼できる医師が在籍するクリニックを選ぶようにしましょう。費用は頬とアゴで250,000~360,000円程度となります。

3.まとめ

BNLS注射のように低価格で効果が実感しやすく、副作用も最小限に抑えられている方法なら、気長にマッサージやダイエットをするより手っ取り早く小顔になれそうですよね。ひと昔前までは小顔整形といえば骨を削るしかないのでは?と思われていましたが、最近では切らない小顔施術が主流になってきています。

美しい小顔を目指すには、なぜ自分の顔が大きくなっているのか正しく理解する必要があります。ダイエットしても顔だけがなかなか痩せない、咬筋の発達によるエラ張りが気になる……という方は、一度美容医療機関のカウンセリングを受けてみてはいかがでしょうか。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。


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監修:

若林奈緒 医師

日本医科大学付属病院

医学博士。日本形成外科学会専門医。順天堂大学医学部卒業後、日本医科大学付属病院形成外科へ入局。2019年~日本医科大学付属病院形成外科にて非常勤講師拝命。非常勤講師の傍ら、都内有名眼形成クリニックにて研鑽を積み、眼瞼下垂・二重など眼周りの手術を多数執刀。また複数の美容クリニックにて小顔・たるみ治療を担当。
得意施術は、二重・眼瞼下垂などの目周りの治療と糸リフトなどのたるみ治療。

2009年 順天堂大学医学部卒業 
2011年 順天堂医院初期研修医修了 
2011年 日本医科大学付属病院 形成外科入局 
2013年 筑西市民病院 形成外科医長 
2014年 日本医科大学付属武蔵小杉病院 形成外科 
2015年 日本医科大学大学院 
2019年 日本医科大学付属病院形成外科 非常勤講師 
2019年 東京美容外科 
2020年 オキュロフェイシャルクリニック東京 
2023年 都内美容クリニック 複数にて眼形成手術・小顔治療担当