思春期ニキビや大人ニキビができやすい方、できやすかった方も多いのではないでしょうか? 私もそのひとりです。高校生の頃から20歳頃まで本当にニキビで憂鬱でした。その、思春期ニキビが落ち着いた今の悩みはニキビ跡の色素沈着やクレーターです。

クレーターはニキビが炎症を過度に起こすと肌の奥の真皮層まで炎症が広がり肌の表面が凸凹することによっておこります。クレーターといっても、小さい穴が深く開いたアイスピック型や凹みは滑らかですが広く窪んだローリング型、頻度として最も多い、表面が90度程度ボコっと窪んだボックスカー型といった種類があります。ニキビ跡の色素沈着やクレーターの治療もさまざまありますが、なかなか効果をはっきりと感じるものは少なく、地道な長い治療が必要です。

ニキビ跡治療にはダーマペンというくらい肌治療の中でもダーマペンは人気があります。
そのダーマペンの中でも、ニキビ跡治療のパイオニアといっても過言ではないヴァンパイヤフェイシャルについて今回は解説していきます。

毛穴治療に使用されるダーマペンとは?

ダーマペンとは髪の毛よりも細い極細の針で肌の表面に傷をわざとつけて肌の治癒力により肌にハリを出したり毛穴をふっくらさせる治療です。現在のダーマペン4は、先端に16本の針がついており、1秒間に1,920回も針を肌に刺して穴を開けることができます。

肌にわざと傷をつけることによって、肌は傷を治そうと自然治癒力によりコラーゲンやエラスチンが生成されます。また、肌の遅くなっていたターンオーバーを促進することができます。それを利用してニキビ跡や毛穴治療、シワ治療を行うことができるのです。また、皮膚に穴をあけることによりそこにピーリング剤や成長因子など薬剤を入れ込むことができ、相乗効果を狙う治療もあります。

ダーマペン4で併用する薬剤は様々あり、値段もそれぞれ異なり、ダウンタイムにも差があります。次にダーマペン4で併用する薬剤について詳しく解説していきます。

出典 https://www.dermapenworld.com/

ダーマペンでの治療でよく使われる薬剤

ダーマペンでは成長因子などのブースターやピーリング剤などの薬剤がよく使用されます。
それぞれ効果が違うのでそれぞれ紹介します。

ウーバーピール

ウーバーピールは肌に0.2〜0.5mmの穴をダーマペンで開けた後に塗り込むピーリング剤で炎症のあるニキビやニキビ跡に有効です。刺激も少なく痛みもほとんど気になりません。思春期ニキビや大人ニキビにも効果を発揮するので炎症のあるニキビにお悩みの方にお勧めできます。

ダウンタイムは赤みが2〜3日程度で皮向けはほとんどありません。内出血も深く刺さないためほとんど出ないことが多いです。価格は20,000円程度になります。

マッサージピール(ヴェルベットスキン)

ヴェルベットスキンは0.2mmの穴をダーマペンで開けてその後にマッサージピールというピーリング剤を塗り込むものです。ピーリング剤がコラーゲンやエラスチンの生成を促していくためハリツヤがとても出て小皺や毛穴やニキビ跡にも効果があります。ピーリング剤を塗り込む際に灼熱感があるのですが、拭き取ると消えるため、痛みはピーリング剤を塗布した時と同じくらいで我慢できる程度です。

ダウンタイムは赤みが2〜3日程度で皮向けする場合は、赤みが引いた後乾燥と皮剥け感やゴワゴワ感があります。内出血はほとんどありません。価格は25,000円程度になります。

トゥインクルスキン(ミラノリピール)

トゥインクルスキンとは0.2mmの穴をダーマペンで開けてその後にミラノリピールを塗布するというものです。マッサージピールよりもトリクロロ酢酸の濃度が濃いのですが刺激感が抑えられているのが特徴です。ヴェルベットスキン同様ツヤが綺麗に出ますし、ニキビ跡の色素沈着にもとても効果を発揮します。

ダウンタイムは赤みが2〜3日と皮向けがあります。乾燥や皮剥けで肌がゴワつきますがそのあとはつるんとした肌になっていきます。内出血もほとんどありません。価格は30,000円程度です。

成長因子

成長因子は肌の厚さに応じて針の長さを変えて、毛穴やニキビ跡の気になるところに1.5〜2.5mmと深くハリを刺すことにより浸透させ、クレーターを治療することができます。傷を治す働きを助けるブースター(栄養剤)のような役割を果たすことによりコラーゲンやエラスチンがより生成され、毛穴やクレーター治療に効果があります。痛みは針の深さを深くすると強くなりますが、気になるところだけ深くすることもできるため、痛みを最小限にしつつ治療も可能です。

ダウンタイムは赤みや内出血が1〜2週間程度、その後乾燥やゴワツキがあります。肌の代謝が良くなることでニキビが一時的にできることもありますが1週間程度で落ち着くことがほとんどです。価格は30,000円程度です。

ボトックス

シワ治療でよく使用されるボトックスですが、ダーマペンの薬剤にも使用されます。皮脂の分泌を抑制することができ、毛穴をキュッと引き締めることができます。細かいちりめんジワにも効果があるためエイジングケアとしても人気があります。また、皮脂の分泌を抑制することができるためニキビができにくくなったり毛穴が開きにくくなるというメリットもあります。

ダウンタイムは赤みが2〜3日程度で深く針を刺さないため内出血もほとんどありません。ボトックスは熱に弱いため長時間の入浴やサウナ、岩盤浴は1週間は避けるようにしましょう。価格はボトックスの量にもよりますが50,000円程度です。

▼ダーマペンについてもっと深掘りしたいならこちらの医師監修記事も


ヴァンパイアフェイシャル

ヴァンパイアフェイシャルとは、先ほど紹介した薬剤とは別に患者さんの血を採取し、その血液を遠心分離にかけることで血小板のみを取り出してつくるPRPという薬剤を塗布するというものです。

自分の血液を使用することによりアレルギーもなく、血小板を凝縮しているため成長因子が多く含まれており傷をより早く治す効果があります。そのため、他の薬剤と比べてニキビ跡のクレーターや毛穴が目に見えて改善していきます。実際に治療されている患者様でも5回施術後と施術前を比べると、効果がわかりやすくとても喜ばれます。

10cc程度採血する必要があるため、貧血の方や採血で体調が悪くなる方は注意が必要ですが、横になって採血することもできるため安心です。

回数で言うと5〜10回でニキビ跡のクレーターや毛穴がわかりやすく改善するため継続される方が多く人気な治療です。

ヴァンパイアフェイシャルのダウンタイム

ダウンタイムは、針を深く刺していくため出血による内出血があり、引くのに2週間程度かかります。また、赤みが2〜3日程度続きその後は乾燥や肌のゴワつきがあります。ターンオーバーが活性化することによりニキビが出ることもありますが、1週間程度で治ります。

どうしても2〜3日は顔が真っ赤になり内出血が起こるため、仕事や学校に行かれる際はびっくりされたと言う方も多いです。休みの前の日に行ったり、コンシーラーやファンデーションで隠すなどの工夫が必要になります。

ヴァンパイアフェイシャルの価格

価格は1回でも100,000円程度かかります。これは、ダーマペンだけでなく採血やPRPを作る値段も含んでおり、美肌施術の中では比較的高い価格かと思います。
ただ、効果の実感が良いため継続される方も少なくありません。

ヴァンパイアフェイシャルと併用される施術

ヴァンパイアフェイシャルは赤みが出やすく、火照り感やひりつきがあるため鎮静効果のある施術がよく併用されます。
その中でも特に、エレクトロポレーションは電気の力で細かい穴を一時的に開けて冷やしながら薬剤(成長因子や臍帯血など)を導入することにより肌を沈静化してくれます。痛みもなくほてった肌を冷たく滑らせる感じですのでリラックスして受けることができる施術です。
価格は15,000円程度(薬剤によって変動)でダーマペンと併用でお得になるクリニックもあります。

また、成長因子の多く含まれるパックも鎮静目的でよく使用されます。リジェンスキンのSRSマスクパックメドは医療機関専売品ですので、5,000ppmもヒト臍帯血細胞順化培養液が入っており、肌を鎮静しながら成長因子が肌の治癒を促進してくれます。
価格は2,500円程度で自宅でも冷やして使うとより鎮静されます。

現在のニキビ跡治療について

ヴァンパイアフェイシャルを説明しましたが、現在ポテンツァやシルファームといったニードルRFが誕生したため、クレーターや毛穴治療でダーマペンが使われることはクリニックによりますが、少なくなっているところもあります。

ニードルRFとは針を刺してそこからRF(ラジオ波)を出し肌に熱を与えることにより針の刺激と熱刺激をダブルで与えることによって創傷治癒過程をより活発にできるものです。熱により出血やダウンタイムを抑えつつクレーターや毛穴を改善できるためとても人気があります。

薬剤を狙った層に入れ込むことができるドラッグデリバリーモードがポテンツァにはあるため、ダーマペンの進化版とも言われており、患者様も1回で効果を感じる方が多いです。実際に私が治療を行った際には、1回でも毛穴に対して効果を実感できました。クレーターに関しては1回だとあまりわからなかったため、3〜5回程度は継続が必要です。

ニードルRFを取り扱うクリニックが増えており、ダーマペンの治療が少なくなっている中でもダーマペンが好きな患者様からは根強い人気を誇ります。その理由としてはピーリング剤を塗布できると言う点です。

ニードルRFではドラッグデリバリーが可能ですがピーリング剤を塗布することができません。そのためニキビの色素沈着や炎症ニキビが気になる方はダーマペンのウーバーピールが適応になることもあります。また、ニードルRFは痛みがとても強く途中で断念する方も。その点、ダーマペンは痛みが少なく気になるところだけピンポイントにしっかり施術することもできるのです。

価格もニードルRFは薬剤抜きで50,000円程度かかり、薬剤込みだと60,000〜80,000円程度が1回でかかってくるためヴァンパイアフェイシャルとそう変わらない価格帯です。そのため、ニードルRFとヴァンパイアフェイシャルをどちらも1回行って痛みやダウンタイム、効果を比べることが重要になってきます。肌質によって合う合わないも関係してきますので、ご自分に合う治療を選ぶことが大切です。

CO2フラクショナルレーザーやピコフラクショナルレーザーといった、フラクショナルレーザーでもニキビ跡の治療は可能です。特にアイスピック型のクレーターは毛穴に似て小さいですが、穴が深いためダーマペンやニードルRFのように針を刺すものでは届かない場合があります。

そのような時にはフラクショナルレーザーが有効です。レーザーは真っ直ぐに照射され狙った場所にしっかり届くことができるので、深い穴にも届きます。CO2フラクショナルの方がパワーが強く色素沈着のリスクもありますが、パワーが強い分効果がわかりやすいです。ただ、ピコフラクショナルのようにダウンタイムがマイルドなものでもしっかりと熱を加えることにより5〜10回で効果を出すことが可能です。

ダウンタイムは、ピコフラクショナルだと赤みが1〜2日で、ほとんど気にならない程度です。CO2フラクショナルだと、内出血や赤みが2週間程度続くこともあります。

価格はピコフラクショナル20,000円程度、CO2フラクショナル10,000円程度になります。

▼ニキビ・ニキビ跡治療の記事をもっと読みたい方はこちらの医師監修記事も


まとめ

今回はヴァンパイアフェイシャルを中心に現在のクレーター治療まで紹介してきました。自分自身のクレーターはどのタイプなのかまず知ることによって合う施術が見つかってくるかと思います。ヴァンパイアフェイシャルに関しても小皺や毛穴にもとても有効ですのでアンチエイジングが気になる方にも向いている治療です。また、針の長さなど皮膚の厚みや痛みによって変えることができるためダウンタイムの調整も可能という点がメリットかと思います。

クレーターは長期的な治療が必要ですので、自分に合った方法で回数をしっかり重ねていくことが大切になります。施術の痛みやダウンタイムの辛さもあるためいつでも相談できる信頼関係を築いていけるクリニックを選んでいただくと安心して治療が可能かと思います。私も自分自身のクレーターと向き合って治療しておりますので、一緒に頑張っていきましょう!

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

MarkeTech

ゆー

4年制大学の看護学科を卒業後総合病院のICUで1年勤務。その後、美容クリニックに勤務して3年目の、看護師としては4年目になる。美容クリニックはパート含め計6院の美容外科・皮膚科勤務歴があり使用した機械や介助についたオペも多い。高校生の頃から肌荒れに悩んでおり、スキンケアマニアのため市販のスキンケアやドクターズコスメの知識も豊富である。

閲覧中の記事: