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「どんなに頑張ってダイエットしても、ここのお肉だけが減らない!」という経験がこれまでの人生で、みなさんあるのではないでしょうか?
全体的に線が細い方でもなぜかお腹だけが出ているなんて場合もありますよね。また、年齢を重ねると今までお肉がつかなかったパーツにお肉がついてしまったり、一生懸命ダイエットをしてみるものの、痩せても結局減らしたい部分は減らずに残っていたりするものです。
美容医療ではそういったお悩みを解決するために、部分痩せを叶える施術がいくつかあり、美容医療機器を使用するもの、注射、手術とさまざまな選択肢があります。
別の記事では全体的にダイエットをするための内服や効果的なサプリメントをご紹介しましたので、今回は部分痩せに焦点を当てて美容医療の施術をご紹介していきます!
部分痩せとは?
部分痩せとは、体重減少のために治療を受けるものではなく、各部位のサイズダウンを主目的とし、ボディラインを整えることです。部分痩せ機器や注射等の施術においては、体重減少に期待できるのはおそらく数十グラム程度しかありません。
また手術によって部分痩せを行ったとしても、脂肪はあまり重くないため大きな体重減は叶えられません。これらを十分に理解してから部分痩せ治療を行いましょう。
部分痩せの対象とは?
上記でも述べたように各部位のサイズダウンが主目的であるため、部分的に痩せられずに悩んでいる方が対象となります。よって過度の肥満や全身の痩身目的の方は対象外となります。
ちなみに人間の太り方は
- ・皮下脂肪型
- ・内臓脂肪型
- ・混合型
の3種類に分かれます。
部分痩身医療の対象となるのは皮下脂肪型の場合です。内臓脂肪型の方は運動や食事の改善によって解消されます。美容医療分野で内臓脂肪型の方をサポートする場合は、さまざまな内服薬や漢方、サプリメント、GLP-1注射等で行われます。
部分痩せの対象パーツ
脇腹、お腹、背中、お尻、太もも、二の腕、ブラファット、顎下などの皮下脂肪が主です。みなさんが悩みやすいパーツは部分痩せの対象となります。
機器を使用した部分痩せのメリット
美容医療機器を使った「部分痩せ」治療は、
- ①ダウンタイムが短く、数回の治療で効果が得られる
- ②脂肪吸引などに比べて安全性が高く、痛みもほとんどない
- ③治療した部分はリバウンドしにくい
- ④年齢、性別を選ばず治療の適応範囲が広い
- ⑤治療前後で計測して数値化したり、画像で比較してサイズダウンを確認したりすることができるため満足度が高い
というメリットがあります。みなさんが最も気になる部分である痛みやダウンタイムは軽いため、とても人気が高いです。
機器による治療で脂肪を減量する方法は、大きく分けると加熱、冷却、そして筋肉に働きかけて代謝を上げるものがあります。部分痩せの治療に使う機器は、現在高周波、超音波等のテクノロジーを使用するものが主流になっています。
冷却脂肪融解装置
部分痩せの代表的な機器として挙げられるのが、冷却脂肪融解装置です。
よく見かけられるのは、クールスカルプティングやクラツーアルファといった機械です。
脂肪細胞は皮膚や神経、筋肉の細胞よりも低温の影響を受けやすく、皮膚表面から4度に冷却することで脂肪細胞のみをシャーベット状に凍らせ、自然な細胞死(アポトーシス)を誘導することができます。
冷却脂肪融解機器はアプリケーターを一定時間装着することで、アプリケーター内に入った脂肪細胞の約2割をアポトーシスに誘導して皮下脂肪を減少させます。アポトーシスに陥った脂肪細胞はマクロファージによる貪食や、リンパ系からの排泄で消失するとされています。脂肪細胞の減少効果が現れるまではおよそ2〜4カ月かかります。
冷却脂肪融解装置では治療後に治療部位をマッサージすると、虚血後再灌流により脂肪細胞のアポトーシスが促進されます。そのため治療後は看護師が数分ほどマッサージをしてくれます。
副作用
- ・皮下出血
- ・疼痛
- ・しびれ感
この辺りは頻度が高めに起こる可能性があり、一過性のものであるため数日ほど様子見が必要です。
またかなり稀な症例としては逆説的脂肪過形成、つまり脂肪細胞が逆に増えてしまったという現象がありました。これは原因不明であり、まだ解明されていません。
▼クールスカルプティングの医師解説記事はこちら
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脂肪を凍らせて除去! 部分痩せ医療機器・クールスカルプティングを西川礼華医師(湘南美容クリニック皮膚科全体統括)が徹底解説
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この記事は、
湘南美容クリニック 新宿本院の
西川礼華医師が監修しています。
RF機器(高周波)
RF機器は皮下脂肪を45℃の温度に一定時間保持して障害を与えることで脂肪細胞のアポトーシスを促し排出させる仕組みです。高周波はリジュビネーション(肌の若返り)を目的とした場合は1〜40.68MHzが設定され、脂肪細胞がターゲットの場合は0.3〜1MHzが使用されます。全身どの部位にも応用可能です。
皮膚からの作用方法は、対極板が必要なモノポーラ方式と、対極板が不要なバイポーラ方式、ユニポーラ方式の3種類に分かれます。それぞれのプローブにより理論的に深達度が規定され、目的の組織が誘電加熱されます。赤外線レーザーや超音波などとの複合機を含めた多数の機器が開発され、加熱部位の深達が規定されています。痩身用RF機器にはインディバ、テノール、エクシリス等さまざまな種類があります。
非接触型RF
非接触のRF治療機器でヴァンキッシュMEという痩身機器があります。27.12MHzの高周波を利用し、44〜45℃で皮下1cmを中心に組織の非接触な加熱を可能としています。この技術は組織の反応が抵抗値によって異なるという概念に基づいています。
脂肪などの水分量が低い組織は抵抗値が低く、比較的加熱しやすいです。一方で皮膚や筋肉といった水分量が高い組織は抵抗値が低いため熱が蓄積しにくい特徴があります。
ヴァンキッシュMEは毎週1回の施術を4回行うと1カ月後に腹部の脂肪が減少すると報告されています。実際に受ける方は寝転がっているだけでほんのり暖かい感覚がある程度なので、簡単に受けることができます。
HIFU
HIFU(ハイフ)とは高密度焦点式超音波機器のことです。皆さんにとってはほうれい線を薄くするなどのリフトアップや肌のハリ感を出してたるみを改善するイメージが強いのではないでしょうか?
通常はSMASと言われる薄い筋膜や脂肪層、真皮層などその周辺が60℃以上に達するように多数箇所を点状に熱凝固させます。そのようにすることで各層で引き締まりが起こり、真皮層では繊維芽細胞が刺激されてコラーゲンやエラスチンが造成されハリがでが得られます。
しかしハイフは上記の能力だけではなく、実はボリュームダウンが非常に得意な機器です。これまで使用されていたドット状に照射するカートリッジにおいても焦点深度を選択して脂肪を減らす効果がありましたが、最近では機種によってライン状に照射をするカートリッジも販売されており、広範囲に熱を入れることで効果的な部分痩せを実現しています。
お顔だけではなく、二の腕やブラファット、お腹などもハイフで痩身が可能です。ただし1度の施術でしっかりボリュームダウンすることが難しいため数回は施術を受ける必要があります。
▼ボディハイフの医師監修記事はこちら
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ハイフは顔だけじゃない! 痩せづらい身体の脂肪を溶解するボディハイフとは
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この記事は、
You's clinic Aoyamaの
長谷川悠医師が監修しています。
脂肪溶解注射
脂肪溶解注射とは、薬剤の効果によって脂肪を溶かして体外に排出して痩身効果を得る注射のことです。植物性のサポニンやヒバマタ、チロシンなどを配合した製剤、フォスファチジルコリン、デオキシコール酸製剤などがあります。
前者の作用機序は欧州のハーブ療法を基とするため不明瞭な部分もありますが、界面活性剤としての作用や代謝の亢進などによるものとされています。一方デオキシコール酸は浸透圧によって脂肪細胞膜を破壊するとされ、米国FDAにおいても顎下の脂肪を減少させるとして承認を得ている製品もあります。どちらも皮下に一定の間隔で注射していき、数回の治療で効果を得ていきます。
以下、よくみられる製剤について解説していきます。
BNLS ultimate
これまでBNLS neoという薬剤が主流でしたが、新たにLカルニチン、アーティチョークエキス、カテキン、コエンザイムQ10などを配合し、より高い効果を期待できるようになりました。
またデオキシコール酸の濃度もアップしているため痩身効果が高まっています。
セルフォーム
主成分はフォスファチジルコリンで、大豆から抽出される大豆レシチンというアミノ酸の一種です。海外では高脂血症や脂肪肝の治療に使われている成分です。フォスファチジルコリンは脂肪乳化作用があり、脂肪細胞から脂肪酸を遊離します。
カベリン
デオキシコール酸が0.5%配合されている薬剤で、しっかりと脂肪を減らしたい方におすすめです。他にもLカルニチンやアーティチョークエキスなどが配合されています。デオキシコール酸の濃度によって痛みや腫れが強く出ることがありますが、カベリンは比較的腫れなどが少なく、痩身効果もあるバランスの良い薬剤です。
Fat X core
こちらもデオキシコール酸が主成分の薬剤で、濃度はなんと最も高い1.0%。少し腫れやすい製剤ですが、腫れを抑えるためにNAIS complexと呼ばれる植物抽出エキス+アミノ酸の配合を調整し、腫れや痛みを以前のFat Xの1/2程度に軽減させました。ただダウンタイムは製剤の中でも長めなので使用する際は日常生活でダウンタイムを過ごせるか考える必要があります。
脂肪吸引
脂肪吸引とは、カニューレという数mmの管状の医療器具を使用して、外科的に余分な脂肪を取り除く痩身手術のことです。手術のためこれまで説明してきた施術とは違い、長いダウンタイムを必要とします。しかし確実に部分痩せが叶うため、どうしても痩せたいパーツがある方は最も自身の理想の状態に近づける可能性があります。
脂肪は水よりも軽いので多くを吸引してもほとんど体重には変化はありません。しかし見た目はしっかりと細くなるため大きな変化を感じられます。
脂肪吸引のメリット
脂肪吸引は上記でも述べたように痩せたい部分を確実に痩せられるというメリットがあります。また、手術で脂肪細胞自体を取り除くため、手術を受けたパーツはリバウンドがしにくくなります。
残った脂肪細胞が大きくなると多少は太りますが、それでも手術前よりも太くなることはありません。筆者自身、過去に脂肪吸引を受けた経験がありますが体重増加があっても、手術を受けたところは以前よりも太くなってしまうことはありませんでした。
脂肪吸引のデメリット
脂肪吸引の手術は簡単に痩せることができて、痩せたいところが確実に痩せられて良いことばかりのように感じますが、デメリットがあります。
- ①術後のダウンタイムが長い
- ②失敗のリスク
- ③費用が高い
①脂肪吸引を行うパーツにより程度は変わりますが、痛み、内出血、硬縮、むくみといった症状が術後は現れます。
・痛みは強い筋肉痛のような感覚で、鈍い痛みが数日続きます。例えば太ももの脂肪吸引では痛みが取れるまでは足をひきづるようにしないと歩くのが難しかったりもします。術後3日目くらいがピークですが、1〜2週間ほどで徐々に消失します。
・内出血は初め赤黒いアザのような感じで手術を受けたパーツ全体的に起こります。治癒が進むと、徐々に黄色っぽい色味に変わっていき消失します。筆者が太ももに脂肪吸引を受けた際は消えるまで3週間程度かかりました。
・むくみは術後一時的なものですが、こちらもしばらくは続きます。脂肪吸引前よりも太くなるくらいむくむこともあります。下半身は特に重力の関係で広範囲にむくみが現れやすいです。筆者はむくみがひくまで1カ月近くかかりました。
・硬縮は施術部位の皮膚がつっぱり、違和感が出ることです。少しボコボコしたり硬さを感じますが、3〜6カ月ほどでなくなります。
②どうしても時には失敗と感じるような仕上がりになってしまうことがあります。
- ・脂肪吸引した箇所が垂れる、たるむ
- ・左右差が出てしまいバランスが不自然になってしまう
- ・硬縮がとれず凸凹した感じが残る
- ・脂肪吸引した箇所の感覚が戻らない、痺れる
- ・傷跡が目立つ
- ・皮膚の質感が悪くなる
これらは医師の技術で左右される部分もあるため、信頼できる医師を探して吟味してから手術を受けましょう。
失敗だけではなく、感染症や出血など手術である以上リスクもともなっているため、納得のできる説明をしてくれる医師を探しましょう。
③脂肪吸引の手術の費用は高額です。数十万〜選択部位によっては百万円近い金額がかかってしまうこともあります。ただ、この金額を支払っても受ける価値がある手術ではあります。どうしてもこの部分だけ痩せたいとお悩みの方には受ける価値があります。
おわりに
美容医療ではさまざまな部分痩せの治療があります。どれもお手軽で魅力的な治療ばかりです。どうしても一部分だけ痩せなくて困っているといった方は、美容医療に頼ってみるのも良いかもしれません。
しかしどれもあくまで治療の一環であるため、必ずリスクはあります。特に手術を選択した場合は高いリスクと長いダウンタイムがあり、しっかりと医師からの説明を受けた上で、リスク等を理解してから受けるように慎重になってください。
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【記事の執筆・レビューに使用した参考文献等】
記事の正確性等の確保方法及び参考文献の取り扱いについては、Call to Beautyの編集プロセスをご覧ください。
・『あたらしい美容皮膚科学』(2022年南山堂)
日本美容皮膚科学会 監修
クイーンズスクエアメディカルセンター皮膚科 部長 尾見徳弥 編
みやた形成外科・皮ふクリニック 院長 宮田成章 編
静岡社会健康医学大学院大学 学長・理事長 宮地良樹 編
大阪医科薬科大学 教授 森脇真一 編
・『Bella Pelle vol.3 No.4,特集 部分痩せ』(2018年メディカルレビュー社)
・『Bella Pelle vol.6 No.4,特集 美容医療機器・部分痩せ』(2021年メディカルレビュー社)
*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。
YuNi
都内で働くフリーランス美容ナース。美容皮膚科、脱毛専門、痩身クリニックにて勤務経験あり。クリニックの立ち上げに関わり、師長を務めていたことも。現在はいくつかの美容皮膚科にて勤務しており美容皮膚施術とアートメイクを担当している。Twitterでは同名義で4000人以上のフォロワーがおり、正しい美容医療の知識の普及に努めている。飛鳥塾という講習会にて講師を務め、美容看護師の知識や技術の向上に尽力している。
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執筆:
YuNi看護師
都内で働くフリーランス美容ナース。美容皮膚科、脱毛専門、痩身クリニックにて勤務経験あり。クリニックの立ち上げに関わり、師長を務めていたことも。現在はいくつかの美容皮膚科にて勤務しており美容皮膚施術とアートメイクを担当している。
X(旧Twitter)では同名義で4,000人以上のフォロワーがおり、正しい美容医療の知識の普及に努めている。飛鳥塾という講習会にて講師を務め、美容看護師の知識や技術の向上に尽力している。
大学病院勤務(血液内科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科勤務)
大手美容皮膚科
個人美容皮膚科
大手脱毛専門クリニック
脱毛専門クリニック
脱毛専門クリニック立ち上げ協力
個人美容皮膚科(保険診療込み)
バイト勤務含め10院以上のクリニック勤務経験あり
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