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美容クリニックに行くと、看護師がいつも笑顔で出迎えてくれます。
脱毛専門クリニックや美容皮膚科をメインにしているクリニックでは、医師と話す時間よりも、看護師と話したり関わる時間が圧倒的に多くなりますよね。
そのときの看護師の対応が良いと、またリピートしたくなったり、ここに通ってよかったなという気持ちにもなります。
そこで、施術をする看護師が普段どのようなことを考えて施術をしているのか、何に気を付けて患者様と関わっているのか、普段患者様が通うにあたっての看護師の施術に対する疑問点・不安点などをまとめてみました。
Contents
- 看護師が行うことができる美容施術と医師しかできない施術
- 美容ナースの役割とは
- 指名が絶えない丁寧な美容看護師とは
- 看護師の美容施術の技術習得方法
- 看護師による施術のメリットは?
- 看護師が施術をする際に考えていること
- 美容クリニックで働く看護師は点滴や注射が下手?
- まとめ〜ズバリ信頼のおける看護師とは
看護師が行うことができる美容施術と医師しかできない施術
美容クリニックには様々な治療機器があり、看護師もしくは医師によって患者様に施術が行われます。看護師は美容医療機器を使用した施術を主に担当しています。
看護師ができる施術
- ・レーザー機器
- ・光機器
- ・超音波機器
- ・高周波機器
- ・水光注射等の機械を使用した注射機器
など
医師が行う施術
上記看護師ができる医療施術のほか
- ・出力が高い施術
- ・強いダウンタイムがある施術
- ・注射器を使用した施術
- ・皮膚を切開するような施術
- ・糸リフト
など
他にも、シミやしわの状態などの診断は医師にしかできませんが、施術の提案や生活指導、スキンケア指導などは看護師も行います。
看護師は必ず医師の指示のもと施術を行う
美容クリニックでは看護師が施術を行う機会が多くありますが、看護師は必ず医師の指示のもと施術を行なっています。
保健師助産師看護師法において、明確に定められています。
○ 保健師助産師看護師法(昭和23年法律第203号)
第5条 この法律において「看護師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて、傷病者若しくは褥婦に対する療養上の世話又は診療の補助を行うことを業とする者をいう。
第31条 看護師でない者は、第五条に規定する業をしてはならない。ただし、医師法又は歯科医師法 (昭和二十三年法律第二百二号)の規定に基づいて行う場合は、この限りでない。2 (略)
第37条 保健師、助産師、看護師又は准看護師は、主治の医師又は歯科医師の指示があった場合を除くほか、診療機械を使用し、医薬品を授与し、医薬品について指示をしその他医師又は歯科医師が行うのでなければ衛生上危害を生ずるおそれのある行為をしてはならない。ただし、臨時応急の手当をし、又は助産師がへその緒を切り、 浣腸を施しその他助産師の業務に当然に付随する行為をする場合は、この限りでない。
ですから、看護師しかいないところでの医療行為に該当する施術は絶対に行うことができません。レーザー治療、針を使用する治療、アートメイクなど、全て医療行為です。
最近ではサロンの形態で点滴・注射をしたり、ダーマペンを行うなどの施術を施すナースサロンが営業している場合がありますが、医師の常駐がなくクリニックとして届出がない場合は、違法行為である可能性がかなり高いです。
通常はクリニックで医師の指示のもと安全に施術を行なっています。〇〇クリニックと名前のつく施設で施術を受けるようにしましょう。
美容ナースの役割とは
美容クリニックでは接遇が命!
病院で働いている看護師と美容クリニックで働く看護師の圧倒的な違いは、接遇にあります。美容クリニックは自費診療と言って、100%患者様から料金をいただいて運営されています。
ですからより接客業に近く、患者様が安心して施術を受けられるように、ご満足していただけるよう接遇に力を入れています。ただし、クリニックの立地や通っている患者層によっては、ただ丁寧なだけの接遇ではなく、親しみやすいような雰囲気を持った接遇をあえてしているクリニックもあります。接遇の在り方はそれぞれです。その地域でベストな接遇を心がけて患者様対応をしています。
医師は疾患を診る、看護師は生活全般をみる
医師は患者様のお悩みをスムーズに解消するために様々な施術を提案します。最短で解決できるように診断してくれるのが医師です。医師の説明しきれなかった部分を補うように、看護師は施術を行うだけではなく、患者様の普段の生活やスキンケア含めて関わる努力をしています。
治療は医療機器を当てただけで完璧に効果が出るものではありません。患者さんの普段の努力があって、しっかりとした効果をもたらします。スキンケアひとつとっても、何を使用しているのか、クレンジングから洗顔、化粧水、美容液、クリーム、日焼け止めまで確認して、どのようにそれを肌に載せているのか、普段のメイクはどのようなものを使用しているのか、事細かに確認するよう努めています。
また、睡眠や食事に関することなどもヒアリングして、少しでも肌に良い効果がもたらされるようアドバイスできればと考えています。治療の効果が出たり悪化したり、一体何が原因なのか、生活習慣やスキンケアなどから紐解いていけるように、患者様との関わりの中で考えています。
指名が絶えない丁寧な美容看護師とは
ご自身のお肌を預けるのだから、できれば丁寧に扱ってくれる施術者が良いですよね。みなさんなるべく要望に沿いながら良い効果を出してくれる看護師を選びたいと思うのではないでしょうか。
丁寧な看護師は患者様への触れ方が違います。一つ一つの動作が丁寧であるため、タオルを巻かれる時、肌へ触れるとき、機器で治療をする際の皮膚の伸ばし方、仕上げのスキンケアをするとき、随所で大切に扱われていると実感できる場合は非常に丁寧な看護師といえると思います。
一見当たり前にできることのように思いますが、たくさんのクリニックが増えていく中で、教育も行き渡らず基本ができなくなってしまっている場合もあるのです。施術者を指名できる制度がある場合はこのような所作のできる看護師を選択されると、心地良く施術が受けられるでしょう。
看護師の美容施術の技術習得方法
できれば施術が上手な看護師にやってもらいたい。誰もがそう思うでしょう。しかし初めはどんな看護師でも美容医療機器なんて触ったことがない未経験者です。そこから技術を習得するために、多くの練習を重ねています。人のお肌の構造や機能のお話から、それぞれの医療機器の理論まで学んだ上で技術習得に取り掛かります。
最初はマーキング方法を学んだり、人形のお顔に当て真似をしていきます。その後同僚のお顔を借りて当て真似をして、ある程度スムーズに機械が扱えるようになってから実際の照射をします。同僚、スタッフの協力を得て実際の照射をこなし、安全に問題なく施術が行えるようになってから、はじめて患者さんに照射ができるようになります。患者さんに施術をするまでには何度も練習をして技術を高めています。
看護師による施術のメリットは?
看護師による施術は医師が行う施術よりも料金が低く設定されているため、より手軽に施術を受けることができます。特にハイフや高周波などのたるみ治療では、医師の施術と看護師の施術で分かれていることがあり、金額の差額として数万円ほど違いがあります。
効果に関しては、看護師の練度が高まっていけばしっかりと効果を出せること間違いなしです。効果もでて少しお安く施術できるのはメリットではないでしょうか? また、看護師に対応してもらった方が話しやすくリラックスできるとおっしゃってくださる方もいるため、緊張しやすい方は看護師の方が受けやすいかもしれません。
看護師が施術をする際に考えていること
多くの看護師は患者様に最大限の効果を出せるように施術に取り組んでいます。レーザーでも高周波でも超音波でも、施術者の手によって効果が変わる事例は多くあります。出力の選定や施術方法は医師が指示していたとしても、ちょっとした照射の方法やポイントで、さらに効果が高まることがあります。自身の経験をもとに、常にもっとも効果が出るようにと考えています。
レーザーの照射
例えばレーザーの照射では、皮膚の伸ばし方によって施術そのものの効果や、副次的効果である皮膚の引き上がり感に差が出ることがあります。中でも脱毛施術は同じ機械、同じ出力でやっていても施術者の工夫次第で効果に差が出やすい治療です。肌の色や毛の密度、毛の角度などを見て適切な方法を選択して施術しています。
レーザー系のシミなどの美肌治療では、エンドポイントと言って適切な照射後の肌状態を見極めながら施術しています。シミの色味の変化や肌全体の赤みなどを確認して、副作用が少なく安全に治療できるよう考えています。
たるみ治療機器の照射
ひとえにたるみ治療機器といっても、機械によってアプローチする層が違ったり、熱の入り方が違ったりします。たるみ治療で使用される機器は超音波、高周波が主流となっています。たまにレーザーも浅い層の引き締めや小じわ改善のために使用されることがあります。看護師は人間の皮膚や脂肪、筋肉の解剖を踏まえて熱を入れられるよう考えています。また、脂肪の量や肌のハリ感など個人差が大きくあるので、どのように照射したら良い結果が出そうか、皮膚の伸展や熱を入れる角度、機器の押し付け方などしっかり考えています。
水光注射などの薬剤注入
薬剤注入では、できるだけ細部まで注入できるよう丁寧な施術を行うことを考えています。液漏れを少なくできるような調整、強い痛みを感じていないかなどの観察、どういった声かけをしようかということを考えています。
カウンセリング
看護師は診断はできませんが、カウンセリングや施術の合間に施術やスキンケア等をご提案をすることはできます。患者様の肌状態が良くなるよう、患者様のお悩みを解消できるような施術やケアを提案できるようにと常に考えています。
患者様はみなさんそれぞれの生活スタイルがあり、肌トラブルの原因が生活習慣の中に潜んでいる可能性もあるため、会話の中で肌治療の妨げになっていることはないか? 肌状態を悪化させてしまっている要因はないかということも情報収集して考えています。
患者から指名をされることは嫌じゃない?
大概の看護師は患者様から指名をもらえることを嬉しく思っています。自分が提供している技術に自信が持てますし、お肌を任せてもらえることは信頼されているという実感が持てるため、指名をもらえるというのは大変名誉なことだと感じています。クリニックによりますが、指名制度を設けているクリニックでは遠慮せずに、気が合う看護師を指名して大丈夫です。
施術中に不安・疑問が……。ナースに質問しても大丈夫?
施術を受ける際に、最初のカウンセリング内容を忘れてしまい、これから何をされるのか、なぜこの治療をしているのかわからなくなってしまう方がたまにいらっしゃいます。その際は黙っているのではなく、遠慮なくわからないことを聞いていただいて大丈夫です。
よくわからず治療を受けてしまい、後々トラブルに発展してしまって……なんてことにならないように、むしろ疑問はなんでも聞いてもらいたいです。看護師側からも、患者様が不安にならないような説明や声かけを意識しています。
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この記事は、
レナトゥスクリニック 東京田町院の
副田周医師が監修しています。
美容クリニックで働く看護師は点滴や注射が下手?
美容クリニックで注射や点滴をするイメージがわかない方も多くいらっしゃると思います。しかし、実は美容クリニックではビタミンやグルタチオンなどの美容点滴を多くしている場合もあり、点滴や注射をする機会が意外と多いのです。
美容外科でも麻酔をかける際に点滴をすることがあるため、脱毛のみのクリニック以外では注射や点滴を行います。特にダイエットクリニックやAGAクリニックでは薬を処方する際に採血が必要になるため、注射をする機会も多いです。
病院と違い、健康な方に針を刺すため基本的に失敗は厳禁です。1回注射を失敗するとすぐに別の看護師が対応する場合が多いです。絶対失敗してはいけないというプレッシャーの中で注射をして鍛えられているため、意外と注射点滴が得意な看護師がたくさんいます。
まとめ〜ズバリ信頼のおける看護師とは
これまで書いた内容も踏まえて、患者様ファーストで考えられる看護師は信頼できます。上記でも触れている通り、患者様に対する触れ方の丁寧さや話し方などで信頼できるかどうかはある程度読み取れるのではないでしょうか?
看護師が細かく患者様のことを把握していて、以前話をした内容を覚えてくれていた場合、ちょっと嬉しくなりませんか? そういった心遣いができる看護師は信頼できると思います。また看護師の方から自主的に、治療に関わる多くの情報を提供してくれるのであれば、その看護師は信頼できると考えます。
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【記事の執筆・レビューに使用した参考文献等】
記事の正確性等の確保方法及び参考文献の取り扱いについては、Call to Beautyの編集プロセスをご覧ください。
*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。
YuNi
都内で働くフリーランス美容ナース。美容皮膚科、脱毛専門、痩身クリニックにて勤務経験あり。クリニックの立ち上げに関わり、師長を務めていたことも。現在はいくつかの美容皮膚科にて勤務しており美容皮膚施術とアートメイクを担当している。Twitterでは同名義で4000人以上のフォロワーがおり、正しい美容医療の知識の普及に努めている。飛鳥塾という講習会にて講師を務め、美容看護師の知識や技術の向上に尽力している。
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執筆:
YuNi看護師
都内で働くフリーランス美容ナース。美容皮膚科、脱毛専門、痩身クリニックにて勤務経験あり。クリニックの立ち上げに関わり、師長を務めていたことも。現在はいくつかの美容皮膚科にて勤務しており美容皮膚施術とアートメイクを担当している。
X(旧Twitter)では同名義で4,000人以上のフォロワーがおり、正しい美容医療の知識の普及に努めている。飛鳥塾という講習会にて講師を務め、美容看護師の知識や技術の向上に尽力している。
大学病院勤務(血液内科、耳鼻咽喉科、頭頸部外科勤務)
大手美容皮膚科
個人美容皮膚科
大手脱毛専門クリニック
脱毛専門クリニック
脱毛専門クリニック立ち上げ協力
個人美容皮膚科(保険診療込み)
バイト勤務含め10院以上のクリニック勤務経験あり
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