芸能人のようなすっきりとした鼻になれたら、もっとキレイになれるのに……。鏡を見てそんな風に思ったことはありませんか? 鼻は顔の中でも特に目立ちやすいパーツ。変えたい!と思っている人も多いのではないでしょうか。とはいえ、鼻にプロテーゼを入れる隆鼻術をする勇気はないという方が大半でしょう。そこで今回は鼻を高くするためのヒアルロン酸注射の効果や値段、ダウンタイムなどについて詳しく紹介していきたいと思います。

1.鼻をすっきり高く見せる! ヒアルロン酸注射の効果とは

鼻をすっきり高く見せる!ヒアルロン酸注射の効果とは

いわゆる「プチ整形」と言われるほど、手軽に受けられるイメージのあるヒアルロン酸注射。安心感が高い施術のひとつですが、美容外科での施術を受けるときは内容をよく知って納得した上で受けることが肝心。まずはヒアルロン酸注射がどんなものか詳しくみていきましょう。

1-1.鼻へのヒアルロン酸注射ってどんなもの?

鼻へのヒアルロン酸注射とは、ある程度の硬さがあるヒアルロン酸を鼻に注入し、鼻を高くしたり形を整えたりするものです。ヒアルロン酸はもともと体にある成分なので、アレルギーを起こすリスクは低いです。ただし、微量に含まれる含有物にアレルギーをおこすことが稀にあります。また、施術を受けたあと徐々に体に吸収されていくので、効果の持続は1年から長くても3年程度です。適度に注入すればいかにも整形しました!というわざとらしさがない、時間の経過とともに元に戻るというのが大きなメリットです。

ヒアルロン酸は注射を打つときに麻酔をする場合がありますが、メスは使用しないので恐怖感も少なめ。また、万が一、元に戻したいという場合、ヒアルロニダーゼと呼ばれる分解酵素を注射して、ヒアルロン酸を溶かすことができます。

1-2.鼻に入れるヒアルロン酸の量

鼻にヒアルロン酸を注射するときに重要なのが、「どこにどのくらいの量のヒアルロン酸を注入するか」という点です。最適な量は希望するラインや高さ、患者さんの元の鼻の形や高さによっても異なります。鼻に入れる場合、人によって異なりますが0.2~0.6cc程度であることが多いようです。鼻を高くしたいからといってあまりたくさん入れると、鼻が引っ張られて目が寄りすぎてしまうこともあるので注意。

もちろん、適切な量や顔の他のパーツとのバランスは医師がアドバイスしてくれますが、医師の技術や経験値、美的センスに大きく左右されるため、事前に口コミなどでよく調べておく必要があります。

1-3.鼻に入れるヒアルロン酸の質

ヒアルロン酸製剤の質も仕上がりを左右する要因になります。ヒアルロン酸は安全性が高い反面、吸収されやすく効果が持続しないという欠点があります。その欠点を補うために、ヒアルロン酸を架橋して持続性を高めている製剤も増えているのです。

いわゆるプチ整形に使用されるヒアルロン酸は目元のシワやほうれい線の解消などに使われる軟らかめのタイプと鼻を高くしたり、アゴ先を出すための若干硬めのものまでいろいろ種類があります。安全性の高さに定評のあるヒアルロン酸製剤を紹介します。

・アラガン社(アイルランド) ジュビダームビスタウルトラプラス

日本の厚生労働省による承認を受けた初めてのヒアルロン酸製剤なので安全性も高いです。効果の持続性は約1年です。

・AESTURA社(韓国) クレヴィエル

ヒアルロン酸の分子同士の間に架橋をプラスすることで効果の持続期間をアップさせています。硬度が高いので横に広がることが少なく、鼻への注入に適しています。韓国食品医薬品安全庁(KFDA)で認可しています。

・ガルデルマ社(スイス) レスチレン・パーレン・リドカイン

最も歴史的なヒアルロン酸製剤がこちらです。分子が大きく、効果が持続しやすいです。

これらの製剤にはリドカインと呼ばれる麻酔成分が配合されているものもあります。麻酔を打ったときに起こる腫れがなくなるため、よりイメージした形に近い隆鼻が可能になるというメリットも。

中国製や東南アジア製の安いヒアルロン酸製剤を使用しているクリニックもありますが、これらのヒアルロン酸は品質の安全が保証されておらず、トラブルの元となりやすいので避けるべきでしょう。ホームページに掲載されている安価なものは中国製で、実際にカウンセリングを受けたら高いヒアルロン酸製剤を勧められたというケースもあります。あまりにも安価な価格で受けられるヒアルロン酸注射には注意が必要です。鼻へのヒアルロン酸は値段の安さだけで決めないようにしましょう。

1-4.腫れや痛み、内出血などのダウンタイムは?

ヒアルロン酸注射は施術直後からメイクをして帰ることができるので、ダウンタイムはほぼありません。局所麻酔をした場合、若干腫れることがありますが、大きく腫れが残ることはないでしょう。

肌が薄い人の場合、針が毛細血管に当たることによって内出血を起こして部分的に青くなってしまうことがありますが、これは普通の注射でも起こりますよね。内出血が起こると痛みも起こりますが、1週間から長くても2週間程度でおさまります。

1-5.ヒアルロン酸注射の値段

ヒアルロン酸注射の値段

ヒアルロン酸注射の値段はクリニックによって算出方法が異なります。0.1cc当たり9,000円からとしているところもあれば、1カ所1~1.5万円というところも。ただし、こうしたクリニックの場合ヒアルロン酸の使いまわしをしていないか、古いものではないか事前に確認する必要があるでしょう。劣化したヒアルロン酸はトラブルの原因になりかねません。また、使いまわしは感染症などの原因になることもあります。

ヒアルロン酸製剤はほとんどが1本当たり1ccであるため、1cc当たりの価格4~6万円という値段を設定しているクリニックが多いようです。高くつくように感じますが、余った分は顔の他の部分(ほうれい線や目尻のシワなど)に追加料金なしで入れてくれるところもあります。

2.鼻へのヒアルロン酸注射を受ける前に知っておきたいこと

鼻へのヒアルロン酸注射を受ける前に知っておきたいこと

鼻へのヒアルロン酸注射は安全性が高い施術ですが、他の美容外科での施術と同様、失敗、トラブルがまったく起こらないということではありません。ここからは鼻へのヒアルロン酸注射を受ける前に知っておきたいことについて詳しくお話していきます。

2-1.鼻へのヒアルロン酸注射で起こる失敗・デメリット

2-1-1.凸凹になってしまうケース

鼻だけではなく、ヒアルロン酸注射全般に起こり得ることですが、入れすぎや不適切な箇所に入れることで肌が凸凹になってしまうことがあります。時間がたてばなじむこともありますが、改善しない場合はクリニックに相談しましょう。また、どうしても気に入らない場合はヒアルロニダーゼを使用すれば元に戻すことができます。

さらに最近は価格が安い、持続期間が長いと言った理由でヒアルロン酸以外の製剤を使用しているクリニックも増えています。ヒアルロン酸以外の成分はヒアルロニダーゼで溶解させることができないため、凸凹になったとしても自然に吸収されるまでの間、数年待つしかない……ということも起きています。

2-1-2.鼻根部が太くなる

鼻へのヒアルロン酸注射について調べていると「アバター顔」という言葉を見かけることがあります。これは鼻の中心部が太くなってしまうことを指しています。注入したヒアルロン酸が横に広がってしまうことで起こると言われています。繰り返しヒアルロン酸を打つことに関しては医師の間でも賛否両論あるようです。

2-1-3.鼻先には入れられない

鼻のヒアルロン酸注射は日本人にありがちな「目と目の間が低い」「鼻筋が低い」といった症例には適しているものの、鼻先の形を整えるのには適していません。無理に入れると団子鼻になったり、鼻先の皮膚が傷ついたりするリスクがあります。「小鼻を小さくしたい」「鼻の穴を小さくした」といった悩みは外科手術を含めた別の施術を検討する必要があるでしょう。

2-1-4.効果が長続きしない人も

ヒアルロン酸注射の効果はおよそ1年、長くて2~3年と言われていますが、効果の持続期間はヒアルロン酸の種類と注入量によって異なります。実際には2年以上持つことは少なく、1年以内に早く元に戻ってしまう人もいます。なかにはすぐに元に戻ってしまったという人もいます。数カ月で元に戻ってしまうことを考えると費用が高い!と感じる方もいるかもしれません。

2-2.鼻へのヒアルロン酸で起こり得る重篤なトラブル

鼻へのヒアルロン酸注射はプチ整形と呼ばれるほど、気軽に受けられる印象があります。しかし、どんな施術であっても美容外科・美容皮膚科では医師の技術レベル、どのくらい経験があるかは事前に必ず調べておくべきです。経験のない医師に施術させるようなクリニックは避けてください。また、ヒアルロン酸注射の場合、使用されているのがヒアルロン酸なのか、他の成分をプラスしたものなのか事前に確認するようにしましょう。最後にごくまれに起こる、鼻へのヒアルロン酸注射で起こりえる重篤なトラブル例を2つ紹介します。

■皮膚の壊死

誤ってヒアルロン酸を入れすぎると、血管が圧迫されてその部分に酸素や栄養が回らなくなってしまうことがあります。その結果、皮膚が死んだ状態になり真っ黒になってしまう例があります。多くの場合、医師の経験が少ないため、量や入れる箇所を見誤ったか患者さんの希望によって量を入れすぎたりすることで起きています。注入する層(深さ)、部位が重要です。

■失明

鼻は目に近いため、経験の浅く知識のない医師が目の血管にヒアルロン酸を注入してしまい、失明につながることも過去にあったようです。もちろんほとんど起こらない事故とはいえ、リスクとしては存在することを知っておくことは重要です。

3.まとめ

安全性が高く、人気がある鼻へのヒアルロン酸注射。上手なクリニックでお願いすれば、あっという間にスッとした美しい鼻筋が手に入ります。ただし、「気に入らなくてもヒアルロニダーゼで溶かせる」「そのうち吸収されて元に戻るから安心」と言われていますが、鼻の肌は薄く、とてもデリケートです。トラブルが起きないように価格だけで選ばないこと、実績のあるクリニックを選ぶようにしてください。

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

Emiri

Emiri

美容系全般得意なライター。自身でも美容医療を実践。

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監修:

牧野太郎 医師

牧野美容クリニック

福岡大学医学部卒業。大学病院にて形成外科、麻酔科などを経験。その後様々な美容外科クリニックで経験を積み副院長などを歴任。その後2018年福岡に牧野美容クリニックを開院する。
様々なクリニックでの経験から小顔治療や輪郭、ヒアルロン酸注入など多岐にわたる施術をしています。またSNSで積極的に症例をアップし、SNSを見た患者様からの相談や施術依頼が多く寄せられています。

福岡大学医学部 卒業
福岡大学病院 形成外科 入局
福岡大学筑紫病院 外科、麻酔科
札幌手稲渓仁会病院 救急部、整形外科
神奈川県立こども医療センター 形成外科
横浜市立大学病院 形成外科
福岡大学病院 形成外科 助教
福岡大学病院 形成外科 医局長
リッツ美容外科 東京院
リッツ美容外科 東京院 副院長
牧野皮膚科形成外科内科医院
清美会クリニック、ゆめビューティークリニック
八事石坂クリニック
クリニカ市ヶ谷
2018年 牧野美容クリニック院長

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

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