美人女医に美容医療に対する思いを掘り下げて聞くシリーズ、第3回は東京都港区の六本木スキンクリニックの鈴木稚子(わかこ)院長です。皮膚科、美容皮膚科として東京・用賀に開業して六本木に移転、ひどくなったニキビ治療を得意とし、独自にブレンドした薬剤も使用しているとのこと。
医師を目指した経緯、美容に対するこだわりなど語ってもらいました。

綺麗なものをみると、人でもものでもなんでこれは綺麗に見えるのか自分なりに考えるのも好きでした

ー皮膚科・美容皮膚科医になられた理由はなんですか?

鈴木先生(以下S):人は見た目でなく中身だと言います。でも可愛い子猫や子犬が近寄ってきたら多くの人は、人懐っこくていい子だと言いますが、ゴキブリが寄ってきたら気持ち悪いと言います。
そう考えると、やはり人は見た目を重要視していると思います。私も小さい頃、いじめにあう子が見た目が気持ち悪いとか、中学生になってそれまでは普通だったのににきび跡のクレーター沢山出てきたら、汚いと言われ始めたのが強烈なインパクトになりました。

何がインパクトになったかというと、その子はいい子で、それがわかっているのにそれでも私自身もニキビ跡だらけの顔を汚いと感じてしまったことが、衝撃だったのです。その事を覚えていたのと、私は昔から綺麗なものが好きでした。そして綺麗なものをみると、人でもものでもなんでこれは綺麗に見えるのか自分なりに考えるのも好きでした。目で見て判断するというのがとても得意だったのです。だから医学部を卒業するかなり前の時点で皮膚科が自分にはぴったりだと思っていました。

そして、医師になり、一般皮膚科を学んでいるうちに、元から美しいものが好きな私は、美容皮膚科が自分にはとてもあっていると思うようになりました。

幾つかの治療法を提示し、メリット、デメリットを合わせて説明し、私のオススメの説明もした後は患者さんに選択していただいています

ー開院されて今年で16年ですが、16年間でクリニックとしてこころがけてきたことはありますか?

S:昔の医師は自分で一番いいと思った治療法をするだけでしたので、患者さんの選択肢はありませんでした。
私は自分の基準で一番いいと思う治療法でも、人には人の考えがあるとおもいます。ですから皆希望する治療に選択肢を持たせてあげてもいいと開業する前から思っていました。

それはやはり、昔知人のお父さんが喉頭癌になり、手術しないと予後が短くなるので手術するといわれました。私がお見舞いに行ったとき、そのお父さんは医師に「自分はしゃべるのが仕事の人間なので、声をとられるのは命をとられるのと同じだ。だったら死ぬまでしゃべっていたいから、お願いだから寿命が短くなっても後悔しないから手術をしないでほしい」と何度も頼んでいるというのを聞いたことも関係があったかもしれません。

開業当初は世の中に美容皮膚科というジャンルはなく、一般皮膚科の診療をメインで美容系を自分なりに勉強して少しずつ取り入れている状態でした。一般皮膚科の時代からゆっくりでもいいのであまり薬を使わないで治したい人、高くてもなんでもできるだけ早く治したい人、それぞれの人の意見を取り入れて治療してきました。

今もそのスタンスは変わらず、同じ悩みでも幾つかの治療法を説明し、コストやメリット、デメリットを合わせて説明し、私のオススメの説明もしてあとは患者さんに選択してもらっています。自分の考えのみを押しつける事はしていません。

ー印象的な患者さんはいますか?

S:中学生の時にニキビが沢山できてクレーターになってしまった女性が、実は自分は遠足も修学旅行も運動会も社会人になってからも社員旅行などいかなくていいものは、仮病を使って一度も行っていない。親にも言えなかったが中学生のときにニキビ痕のクレーターで同級生に汚いと言われてから写真を撮られるのが嫌でたまらなかった。

でも当院で治療してほとんどわからなくなって今度の社員旅行に行ってみようと思うと言ってくれた患者さん。

施術はいかにも美容のクリニックで何かしていますという感じにならないように気をつけています

ーピーリングなどでクリニックオリジナルの薬剤を使用されていますが、こだわりを教えてください。

S:今は既製の製薬会社の保湿剤なども多くありますが、私が研修医の時にはあまりありませんでした。ですからその方の乾燥状態などに合わせて混ぜ合わせの保湿剤を作っていました。シミ取りクリームなども全部作っていました。

その人の状態に合わせてオリジナルで作るのが一番いいものができるというのが当たり前の認識になっていました。
またピーリングなども海外ではじめられたばかりで、日本ではほとんど取り入れられておらず欧米人向けのを日本人がやって色素沈着が出たりして否定的な意見が多かったのです。

ただ効果を出すためにはある程度浸透度も強くなければダメですが、肌が荒れてるとかアトピーがあるとか日焼けをしているとかいろいろな肌の状態に対応するのはやはりその人にあったオリジナルのものが必要でした。
現在も、毛穴用のプラグピーリングの液とニキビ痕のクレーター用のピーリング液は診察して濃度などを決めてオリジナルでその場で調合しています。

ー先生が美容でいつも意識されていることはありますか? 20代のころから女性の美に対する考えで変わったことはありますか。

S:人間は不自然なものを美しいと思わないので、不自然にならないようにしています。いかにも美容のクリニックで何かしていますという感じにならないようにしてます。

20代の時はやはり目の大きさ鼻の形などパーツにこだわることが多かったのですが、パーツは人によって好みがあります。でも肌の美しさはやはり、誰にも共通で綺麗なものは綺麗と思うのです。万人に美しく見えるベースを綺麗にすることが最も効果が高いと思うようになりました。

継続は力のような医療が最も最終的には効果が高いと思っています

ーご自分でされた施術、医療機器でこれは効いたというものはありますか?

S:たるみが最終的に進行してしまうと手術になってしまうので、私は以前から定期的にサーマクールをたるみの予防として照射しています。
そのためかたるみが余りありません。また、定期的にアンチエイジングのためにプラセンタや、高濃度ビタミンCの点滴もしています。

ローマは1日にしてならずのように、1日で変わろうとするとどうしても無理が出るので、小さなことを定期的にしています。継続は力のような医療が最も最終的には効果が高いと思っています。

ー新しく施術、医療機器を導入するときの判断基準は何でしょうか。

S:実際にやってみて効果があるかどうか。また痛みや、ダウンタイムの出方。コストパフォーマンスのよさ(やはり効果に対して高額だと、患者さんも、効果があるのがわかっても手が出せないし、私たちも自信をもっていいといえないのではと思います)。

ークリニックで力を入れている施術、得意な施術はありますか?

S:

①ニキビ痕のクレーター

やはり、中学生のときインパクトの強かったニキビ痕のクレーターは16年間力を入れています。年をとって出てきたものと違って10代のときのものは心にも傷がついてしまっていることが多いので、取り除いてあげたいと思う気持ちが強いからです。

②たるみ

また、私自身がとても気になるのはたるみです。ですからたるみ治療にも力を入れていていつも何が効果があるのか試行錯誤して治療を組み合わせて行っています。

③アートメイク

アートメイクできれいな眉と、くっきりした目元をアイラインで手に入れるだけで、化粧をしなくてもかなり気にならなくなります。でもそれには自分で描くのよりも自然でプロが書いたように美しい眉や、アイラインを作らなければという絶対条件がつきます。

メスを使わないで手術のリフティングと同じ効果をあげるのに3つの施術を組み合わせています

ーいまおすすめのアンチエイジングの施術はなんでしょうか? その施術のメリット、デメリットはありますか?

S:たるみ治療で、メスを使わないで手術のリフティングと同じ効果をあげるのに3つの施術を組み合わせています。
コラーゲンが減少してスカスカになると、重力の影響もあり、頬骨の上の脂肪が下に落ちてきます。法令線の上や、口の横・顎の下に脂肪がついてきます。それらの脂肪を脂肪溶解注射で分解します。

そして高さのなくなった頬の上のほうにジュビダームビスタウルトラプラスというヒアルロン酸をたるみを持ち上げた形で注入することによってたるみが引き上げられていきます。そしてサーマクールを照射して、コラーゲン線維を増生させて、さらにはりを出し、今後のたるみ予防と施術の効果を維持させます。

ーたとえば30代後半をむかえて、はじめて美容皮膚科を受診される方にメッセージはありますか?

S:今は昔と違って美容整形という敷居の高さはありません。ちょっとした肌の悩みや治らないと思っていた下膨れなど、クリニックに相談すると案外簡単に治ってしまったりすることも多いので、相談ぐらいの軽い気持ちでいらしてください。

ー女性はいつくらいからアンチエイジングをはじめればよいでしょうか。

S:早ければ早いほどいいです。体も皆さん年をとってきて、お酒を浴びるように飲むのを控えたり、睡眠時間をちゃんととるようにしたり、塩分を気にしたり糖分を気にしたりするよりも早くから気にして食生活をおくってるほうがいいのと同じです。

ー女性にとって美しさとはなんでしょうか?

S:魅力を感じるもの。いやな感じを与えずに素直に人であればああいう人になりたいと、純粋に思えるものです。
日ごろの表情も美しさのひとつだと思います。私たちは美しい表情を作ってあげることはできません。ご自身でいつも笑顔でいたり、話し方もいやな感じを与えないようにしないと、お顔だけ若返らせたり肌だけ美しくしても、人から見て美しいと思われないのではないかなと思います。

ー美容皮膚科として一番大切なことはなんでしょうか。

S:美容に興味を持っていること。何が美しく若くきれいに見せるのか常に考えていることです。

どうしたら若く美しく見えるか考えているとふとアイデアも浮かんだりします

ーもし先生が患者さんなら、どんな美容皮膚科医にかかりたいですか?

S:私が、食事をするのにいきたいお店はやはりシェフや料理する方が、料理に興味が深く休みの日もいろいろ食べ歩き、常においしいものを考えてるようなところです。

美容も同じだと思います。興味が深い先生たちは常に考えいろいろ体験をして、これはいいのではと思ったり、こうするとどうなると体験してわかったりします。実際に自分でも、青たんが出たときやしみでも濃くなってしまう状態が続くと、患者さんの気持ちも理解できます。
そしていろいろな治療機器に接したり自分の顔だけでなく人の顔でもどうしたら若く美しく見えるか考えているとふとアイデアも浮かんだりします。

ー良い皮膚科、美容皮膚科とはどのようなクリニックでしょうか。

S:皮フ科・美容皮膚科だけでなくどのような科でもどのような職種でも人と接する場合は、その人の気持ちを考えることのできる人がいるということが大切だと思います。

ー最後に若い頃の恋愛で印象的な出来事を教えてください。

S:15歳のときに出遭って、いいなと思った人と、また再会して40歳になったときから会うようになり45歳のときに結婚しました。

▼鈴木医師(六本木スキンクリニック)監修の施術記事はこちら

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込です。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

六本木スキンクリニック
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監修:

鈴木稚子 医師

六本木スキンクリニック

東京慈恵会医科大学医学部卒業。大学病院にて皮膚科医として勤務後、六本木スキンクリニックを開院する。
不自然になるような施術は行わないことをモットーに自然な美しさを意識しているそうです。学生時代から美しいものに対する意識を高く持ち、人の見た目をきれいにしたい、ハッピーにしたいという気持ちから、エイジング治療、美肌治療には力を注ぎ、様々な角度から治療のアプローチをおこなっています。

医学博士
日本医師会スポーツ認定医など

東京慈恵会医科大学医学部卒
同大皮膚科
国立大蔵病院皮膚科
六本木スキンクリニック院長

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

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