美容大国である韓国ではコロナ禍が落ち着きを見せている現在、肌管理と称して美容外科のみならず美容皮膚科治療が20代女性を中心にとても人気になっています。韓国は美容クリニックに最新の機械が数多くあるというだけでなく、価格が日本と比べてかなり手頃であり、旅行も兼ねて美容クリニックを訪れる方が増加しているそうです。

美容皮膚科といっても日本ではまだまだ敷居が高いと言われる方も多く、韓国ではテープやガーゼを顔に貼ったまま街を出歩いている方が普通にいることもあり、日本と比べてもとても敷居が低くなっています。美容クリニックに抵抗のある日本人でも、観光ついでに気軽に美容医療へチャレンジしやすいことも要因の一つかと思います。

最近では、InstagramやTikTokなどのSNSで美容管理Vlogや美容DayVlogなど美容クリニックで施術を受けている様子を動画で投稿している観光客も多く、SNSでも気軽にどのように美容クリニックで肌管理を行うのかが詳細に公開されています。施術の様子を動画で見ることができるので、美容クリニックに行かずとも擬似体験できるということです。

なかなか見ることができない中身を除くことができるため再生回数も多く、多くの人が美容クリニックの施術にとても興味を持っていることがよくわかります。その施術の中でも特にLDMという施術が多く投稿されており、痛みもなく鎮静効果や肌質を良くできる施術として韓国では人気になっています。

韓国の肌管理は日本と比べると複数種類の施術を組み合わせるものがほとんどで、機械による施術だけでなく、ダウンタイムの出やすい注入も併用されることが多くあります。そのようなダウンタイムの出る施術とも併用できるLDMは受けやすい施術としても韓国では一般的になっているようです。

その一方で、日本では未だ知名度が高いわけではなく、知る人ぞ知る施術といったような位置付けになっています。水玉リフティングやマシュマロリフティング、LDMリフティングといった名称で大手のクリニックでも徐々に広がって来つつある施術のため、気軽に受けられる施術として今後人気が出てくる治療なのではないかと筆者は感じています。人気が高くダウンタイムなく施術可能なLDMとはどのような施術なのか詳しく解説していきます。

Contents

【監修医師からのワンポイント】

韓国で人気のLDMは、様々なお悩みに対して一気にアプローチができる施術です。これまで敏感肌でレーザー治療が難しかった方でも安心して受けていただけるかと思います。また、美容治療が初めてで、まずは痛みがなく手軽なものから始めてみたいという方にもおすすめの治療です。1回でも効果は実感いただけますが、治療の効果を長持ちさせるためには、定期的に受けていただくのがおすすめです。

LDMとは

LDMとは、高密度な超音波の波長を利用して肌の中に超音波を浸透させることによって肌の弾力を出したり、炎症を抑えるなど様々な効果を期待できる施術です。高密度の超音波は、熱や刺激はほぼなく、痛みも感じずに肌の新陳代謝を上げることも可能です。

超音波治療と聞くと熱をたくさん肌に入れてタイトニングやリフトアップができる治療を思い浮かべる方も多いかと思いますが、LDMは高密度の超音波を細胞と細胞の間を満たしている水分などの細胞外マトリックス(超分子構造体)へと働きかけ作用します。その効果は多岐に渡り、炎症を抑える・ニキビ改善・鎮静効果・肌質を良くする・弾力を上げる・リフトアップ・保湿力アップなどです。

MMPsというニキビや炎症の原因となるタンパク質分解酵素の抑制ができたり、HSPsといって細胞の損傷を防ぐタンパク質の活性化が行えるため、コラーゲン生成や再生能力の向上が期待できます。日焼けで火傷のようになっている方や重症ニキビで炎症がとても強い方であっても施術可能な数少ない機械です。

しかも、その炎症を抑えることができるのでアトピーなど炎症が強い方でも安心して行える施術です。他にも、韓国で人気のあるリジュランやジュベルック注射など肌育注射の後に施術すると注入の効果だけでなくLDMがさらに効果を底上げしてくれるのです。他にも併用するとさらに効果が上がる施術もありますので、日本でも肌管理が可能です。

また、LDM単体でもニキビ肌さんやアトピー肌さんには炎症を抑えて肌質を良くしてくれるので美容医療がまだ炎症で出来ないという方にもおすすめです。LDM単体だと1〜2週間に1回を5〜10回程度行うことで効果の実感もよくなりますし、持続性も高まります。

花粉の時期で肌トラブルがあるような時期や乾燥が強く、ひりついたりする時期でも安心して施術が可能ですので、何かしたいけれど肌トラブルが心配な方はトライされてみてください。ダウンタイムや痛みなどは全くなく効果は直後から分かる方もいれば、筆者は翌日に肌の弾力がとても上がっており肌質が良くなったと実感できました。

痛みが苦手でなかなか美容医療にチャレンジできない方にもおすすめです。筆者はニキビも早く治ったので、大事な予定の前にもお勧めできる施術であると思います。価格に関しては、2万円前後のクリニックが多く、コースにすると多少お得に施術可能な場合があります。クリニックによって異なりますのでご注意ください。

LDMと合わせると効果が上がる施術

LDMだけでもリフトアップや亢炎症などたくさんの効果がありますが、併用するとより効果的な施術が多くありますので、せっかく施術されるのであればプラスで相乗効果を狙っていくと良いでしょう。

ピーリング

ケミカルピーリングや乳酸ピーリング、マッサージピーリング、ミラノリピールなどピーリングの種類も多くありますが、どのピーリングの後でもLDMは併用できますし効果的です。ニキビができやすい方はケミカルピーリングや乳酸ピーリング、ミラノリピールと併用することで刺激を緩和できるだけでなく、炎症を緩和したり肌代謝を上げることでニキビの改善が期待できます。

ニキビ跡の赤みも肌代謝を上げることで改善する可能性があり、併用することでピーリング後の乾燥もマイルドになることが多く敏感肌の方にもおすすめです。痛みが怖い方やダウンタイムが嫌な方で、肌治療としてピーリングをされている方にもLDMはおすすめできます。痛み・熱さ・冷たさがない施術はなかなかないので、敏感肌が怖くてピーリングしかしていないという患者さんにも喜ばれる施術です。

また、マッサージピーリングと併用することでコラーゲンの増加を助けてくれハリ感や弾力をより実感しやすくなります。LDMと併用するだけでピーリング施術の効果を増加させたり、プラスの効果があるので、併用しないことがもったいなく感じられる良い施術だと思います。肌管理としてセットになったパッケージ料金なども設定されている場合があるので、キャンペーンなどでお試しされるのもおすすめです。筆者の勤務するクリニックでも肌管理プランはとても人気があり、予約でいっぱいになることも少なくありません。

水光注射や肌育注射

水光注射や肌育注射(リジュランやスネコス、ボライトなど)と併用することで針跡のダウンタイムが鎮静されてマイルドになったり、施術後の乾燥が出にくくなったりとダウンタイムが短くなる効果があります。ダウンタイムがあるとせっかくいい施術であっても、定期的に受けにくいと感じる方に特におすすめします。

ただ、内出血に関しては1〜2週間程度引くまでかかりますので、コンシーラーなどで隠されると良いでしょう。また、LDM単体にも肌質を良くする効果があるため、ハリツヤが相乗効果でより実感しやすくなります。さらに、コラーゲンの増生を助けてくれるためリジュランやスネコスなどが肌の栄養剤となることでコラーゲンやエラスチンを増加させる働きをさらに増幅させることが期待できます。

チクチクと痛い施術を乗り越えた患者さんもより効果が増すのであればと施術される方が増えており、前より毛穴が小さくなったりシワが目立ちにくくなったと喜ばれる方もいます。目元の小じわなど気になる方は保湿もしながらコラーゲンも増やせるので是非併用されてみてください。


ハイフやイントラジェン、サーマジェン

ハイフやイントラジェン、サーマジェン、デンシティなど超音波やラジオ波の治療と併用することでヒートショックプロテインを活性化させて熱によってダメージを受けたコラーゲンを増加させたり、熱を受けてコラーゲンを生成する作用を助ける働きもあるのです。

そうすることによって、ただ単にハイフやイントラジェンなどを受けるよりも肌にコラーゲンが生成されるため、効率よく肌の若返りが期待できます。ハイフやイントラジェンなどは高額な施術のため、効率的にコラーゲンを増加できるのは他にないLDMだけの特徴といっても過言ではないと思います。

数カ月に一度のハイフのメンテナンスとして1カ月おきに行う患者さんがいるのですが、肌の弾力が増したと実感されており、そのような方法も有効であると考えます。ハイフなど高額な施術だと頻繁にできないと考えている方にもLDMであれば短いインターバルでできて嬉しいと言われる方もいます。

エステのLDMとなにか違う?

韓国の施術を取り入れたエステでもLDMを行うことができるようで、エステでできるピーリングなどと併用される方もいらっしゃいます。そのような方から、エステで続けてもいいのかと質問を受けたことがあります。確かに、クリニックより値段が安い場合が多く、続けやすいですし、クリニックよりも敷居が低いため入りやすいとは思います。

美容クリニックで施術を行っているのは看護師であり、患者さんの肌質や今の肌トラブルの有無などしっかりとお肌を見て施術を行っています。そのため、LDMと一言で言っても炎症を抑えるモードやリフトアップモードなど様々なモードから患者さんの主訴や状態に合わせてセレクトして施術を行うのです。

エステで施術となると、有資格者がいない場合がほとんどであり、肌トラブルがあった場合でも医師の診察ができない点や最適なモードが選択できない可能性があります。クリニックであればその懸念はなく、安心して施術が行えますので、クリニックで施術されることを筆者はおすすめします。

まとめ

新社会人や学生さんで美容医療が初めてという方や肌トラブルがあってなかなか美容医療にチャレンジできなかったという方にとっても、LDMは気持ちよくて、寝ている間に肌がもちもちになってリフトアップするとても良い施術だと思います。

特にニキビ肌の方は炎症が強いとピーリングも難しいという判断を医師からされることもあり、施術がなかなかできないのですが、そういった方でも安心して肌管理が可能です。また、日焼けしやすかったり、スポーツをしている方で、UVケアを行なっていても日焼けしてしまうという方もレーザー治療が行えないことが多く、日焼けによる肌トラブルが起こりやすいのですが、そういう方の鎮静としても良い治療だと言えます。

また、極度の敏感肌で何をしてもヒリヒリしたり赤みが出るという方はまずLDMを1週間おきに数回行うことで炎症が落ち着いて他のレーザー治療ができるようになる可能性もあります。敏感肌の程度にもよりますので、クリニックの医師や看護師と相談して肌の状態をしっかりと判断しながら行うことをおすすめします。

まだまだ日本では知名度も低いLDMですが、数年後には肌管理の主役と言っても過言ではないくらい主流になるのではないかと筆者は考えています。美容医療はコツコツ積み重ねがとても大事であり、どこまでを目指すのか、人それぞれ目標だったり維持向上のレベルが異なりますよね。そう言った方でもいつもの施術にちょっとプラスするだけで効果が良くなるとても良い施術であるので是非気軽に受けてみられてくださいね。

【記事の執筆・レビューに使用した参考文献等】

記事の正確性等の確保方法及び参考文献の取り扱いについては、Call to Beautyの編集プロセスをご覧ください。

『ベビースキン水玉リフティング』湘南美容クリニック

『LDM(水滴リフティング) 』ウィクリニック

『韓国トゥウィンクル美容皮膚科 LDM水玉リフティング』トゥインクル皮膚科

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

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トマト看

4年制大学の看護学科を卒業後総合病院のICUで1年勤務。その後、美容クリニックに勤務して3年目の、看護師としては4年目になる。美容クリニックはパート含め計6院の美容外科・皮膚科勤務歴があり使用した機械や介助についたオペも多い。高校生の頃から肌荒れに悩んでおり、スキンケアマニアのため市販のスキンケアやドクターズコスメの知識も豊富である。

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監修:

常岡有希子 医師

ウィクリニック 銀座院

秋田大学医学部医学科を卒業後、大学病院等での勤務を経て、大手美容クリニックで数多くの患者を担当。2024年9月ウィクリニック銀座院院長に就任。
これまでの経験を通じて、患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイド治療の重要性を実感し、それぞれの治療目的やゴールに応じて最適な治療法を提案している。
クリニックでは肌治療、ヒアルロン酸、ボトックス、糸リフト、二重整形を主に行う。
ナチュラルな美しさを引き出すことを得意とする。

2019年 秋田大学医学部医学科卒業
東京都保健医療公社荏原病院臨床研修プログラム入局
2021年 東京慈恵会医科大学勤務
2022年 品川美容外科勤務
2024年 品川スキンクリニック横浜院院長
現在 ウィクリニック 銀座院院長

執筆:

トマト看看護師

4年生大学の看護科を卒業後ICUを1年経験し、救急医療や重症看護を学んだ。その後、複数の美容皮膚科や美容外科で経験を積み美容看護師として働いて3年目になる。日頃からエビデンスやその方それぞれにあった美容医療を提案している。
患者さんからの指名も多く、美容の豆知識を呟いているX(旧Twitter)ではフォロワー2,500人と支持を得ている。

3次救急病院(ICU)
美容皮膚科
美容皮膚科・外科

この記事の監修ドクターが所属するクリニック

  • 住所: 東京都中央区銀座8-9-16 長崎センタービル9F
  • 最寄駅: 東京メトロ銀座駅A3出口徒歩6分
  • 院長: 常岡 有希子
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