トレチノインとは(概要・基礎知識)

トレチノインとはビタミンA(レチノール)の誘導体で、生理活性はビタミンAの約50倍~100倍とされています。しわ、ニキビの治療用医薬品として米国でもFDA(米国食品医薬品局)に認可されている外用剤(塗り薬)です。

トレチノインは角質をはがし皮膚のターンオーバーを促して、皮膚が新しく生まれ変わる働きを促進させます。また、皮脂腺の活動を抑えて皮脂分泌を抑制する効果や、真皮層のコラーゲン生成を促進してたるみやしわを改善する効果、皮膚のヒアルロン酸分泌を増やして肌の潤いを保つ効果などがあります。

また、トレチノインはシミのもととなるメラニンを外に追い出す働きがあるため、メラニンの生成を抑制するハイドロキノンと併用することで、できてしまったシミの改善と予防にも効果があるとされています。トレチノインやハイドロキノンはいずれも医師の院内製剤としてのみ処方できる成分です。使用する期間や方法は医師の指導に従うようにしましょう。

トレチノインが向いている人(こんなお悩みに)

・しみ、そばかすが気になる方
・肝斑を薄くしたい方
・ニキビ、ニキビ跡が気になる方
・しわ、毛穴が気になる方

ダウンタイム/経過

塗布しはじめて数日〜2週間はしみを漂白している期間のため、赤みやかゆみが出ることがあります。
通常は徐々に赤みがおさまってきますが、日焼け対策が十分でない場合、赤みが残ってしまうことがあります。

治療はシミを漂白する前半の2~6週間と炎症をクールダウンしていく後半の2~6週間に分かれています。
シミのタイプや濃度によって期間やお手入れの方法が異なります。医師の指導に基づいてお手入れを行いましょう。

トレチノインは肌の弱い方には向かないしわの改善には約半年程度の継続治療が必要である。初回は1日2回使用で約2週間後に再診。症状により数カ月~半年間は治療を継続。

費用

約1カ月分(5g)で2,000~5,000円程度 その他診察料が必要です。ハイドロキノンと併用して治療する場合もあります。

リスク・副作用

赤み、かゆみ、かさつきが出ることがあります。肌の弱い方は治療を控えるようにしましょう。また、妊娠中、授乳中の女性は使用できません。

【すぐに探せます![地域✕施術]全国おすすめクリニック一覧はこちら】

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

監修:

蘇原しのぶ医師

しのぶ皮膚科

東海大学医学部卒業。皮膚科医として大学病院で経験を積み、都内の皮膚科にて副院長を歴任。2016年しのぶ皮膚科開院し院長に就任。
しのぶ皮膚科では、一般皮膚科治療はもちろん、美容治療はヒアルロン酸注入を中心に、先生目当てに患者様が来ている。安心してリピートできるクリニックとして人気に。さまざまなSNSで積極的に発信、テレビ出演も多数。

日本アンチエイジング外科・美容再生研究会認定医
日本皮膚科学会会員など

東海大学医学部卒
北里大学皮膚科
獨協大学皮膚科
新宿皮フ科副院長
しのぶ皮膚科院長

美容皮膚科(シミ、しわ、毛穴、ニキビ治療等)の他の治療

美容皮膚科(シミ、しわ、毛穴、ニキビ治療等)に関連する記事

  • もう保湿で迷わない! 美容ナースが自信をもっておすすめする保湿特化スキンケアコスメ

    季節によって肌質は変化するものです。 夏にはたくさん出ていた皮脂が冬になるとほとんど出なくなってしまい、私たちの肌は乾燥が強くなり、人によっては細かい皮がむけてしまうこともあるのではないでしょうか? そんな時、少しでも乾燥を軽減しようと普段のスキンケア品を見直して、保湿効果の高いものを選びますよね。けれど、実際どんな保湿剤を選べば、早く乾燥状態を改善できるのかよくわからない人が多くいると思います。この記事では、保湿について解説し、おすすめの成分やスキンケア品をご紹介していきます。 Contents そもそも保湿とは? どうして保湿が必要なのか 肌が乾燥したら気をつけること おすすめの保湿成分 おすすめの医療機関取扱コスメ おわりに そもそも保湿とは? 私たちの肌は、皮膚にもともと備わっている保湿機能によって潤いを保たれて

  • ニードルRFの人気機器ポテンツァとは。ドラッグデリバリーなど様々なモードも解説

    「ポテンツァ」というワードを最近、美容医療業界では頻繁に耳にするようになってきました。美容医療の中ではニードルRFといえばポテンツァというくらい有名になった機械ですが、まだまだ新しい機械ですので、初めて耳にする方も少なくはないでしょう。 ニードルRFにもシルファームやモフィウスといった機械がありますが、どのように違うのかがわかりにくいというお声も多く、今回は同じニードルRFでもそれぞれどのような特徴があるのかについて細かく解説していきます。 ポテンツァはここ2〜3年で広まってきた新しい機械ですが、東京や大阪を中心に導入している美容クリニックが増加し続けています。なぜこのように人気になったのか、ポテンツァとはどのような機械なのでしょうか? 【監修医師からのワンポイント】ポテンツァはニードルRFということで毛穴やニキビ跡の凹凸など、質を良くする治療ではありますが、同時に血

    この記事は、
    麗ビューティー皮フ科クリニック
    居原田麗医師が監修しています。

  • Qスイッチヤグレーザーの効果やダウンタイムとは

    シミのなかでも改善が難しいと言われている肝斑(かんぱん)や炎症性色素沈着の治療に効果があると言われているのがQスイッチヤグレーザーです。安全性が高く、あざやタトゥー除去にまで使用できるとして雑誌やテレビなどでもよく紹介されています。ここでは、Qスイッチヤグレーザーについて詳しく説明していきます。 目次 1.Qスイッチヤグレーザーってどんなレーザー? 1-1.Qスイッチヤグレーザーとは 1-2.Qスイッチヤグレーザーの効果とメリット 1-3.Qスイッチヤグレーザーの経過・ダウンタイム 1-4.Qスイッチヤグレーザーのデメリット 1-5.Qスイッチヤグレーザーは1回でシミや肝斑がとれる? 2.Qスイッチヤグレーザーの施術 2-1.Qスイッチヤグレーザーの施術プロセス 2-2.Qスイッチヤグレーザーの価格 2-3.Qスイッチヤグレーザーの口コミ 3.まとめ

    この記事は、
    いなばクリニック
    稲葉岳也医師が監修しています。

  • ダーマペンと相乗効果をもたらすエクソソーム等のコンビネーション治療解説

    今やすっかり美容医療における定番メニューとなった感のあるダーマペン。 ニキビ跡や毛穴の開きの改善だけでなくシミ・くすみ、小じわの改善など美肌治療として汎用性があることから様々なスキントラブルの改善治療として多くの方が受けられています。 本記事ではダーマペンのをお伝えした上で、近年選択肢が広がってきたダーマペンのコンビネーション治療の特徴や料金相場などを解説します。 どの施術を組み合わせれば自分に最も適しているかを迷われている方の一助になれば幸いです。 【監修医師からのワンポイント】 毛穴、肌質改善、ニキビ跡に対して薬剤を併用することで肌に合ったものや相乗効果が期待されます。どの薬剤が適しているか医師と相談しましょう。また、施術後の炎症後色素沈着を抑えるための保湿や日焼け止めなどの遮光は必須です。 ダーマペンとは https:/

    この記事は、
    美容皮膚科医
    永岡紘子医師が監修しています。

  • 肌管理の本命、LDM(水玉)リフティングとは。マシュマロのような弾力のある肌に。初心者にぜひ

    美容大国である韓国ではコロナ禍が落ち着きを見せている現在、肌管理と称して美容外科のみならず美容皮膚科治療が20代女性を中心にとても人気になっています。韓国は美容クリニックに最新の機械が数多くあるというだけでなく、価格が日本と比べてかなり手頃であり、旅行も兼ねて美容クリニックを訪れる方が増加しているそうです。 美容皮膚科といっても日本ではまだまだ敷居が高いと言われる方も多く、韓国ではテープやガーゼを顔に貼ったまま街を出歩いている方が普通にいることもあり、日本と比べてもとても敷居が低くなっています。美容クリニックに抵抗のある日本人でも、観光ついでに気軽に美容医療へチャレンジしやすいことも要因の一つかと思います。 最近では、InstagramやTikTokなどのSNSで美容管理Vlogや美容DayVlogなど美容クリニックで施術を受けている様子を動画で投稿している観光客も多く、SNS

    この記事は、
    ウィクリニック 銀座院
    常岡有希子医師が監修しています。

  • 韓国で話題の注入剤ジュべルック(Juvelook)を徹底解説。ニキビ跡、クレーター治療で行き詰まった方にも

    Contents ジュべルックでキーとなるポリ乳酸とは ジュべルックの効果・特徴 ジュべルックは、ヒアルロン酸・ボトックスとなにが違う? 手打ちだけではないジュべルックの注入方法 ジュべルックの施術中の痛みやダウンタイム おわりに 韓国は“美容大国”というのがみなさんの中で認知されていると思います。最近では美容施術を受けるためにわざわざ韓国まで足を運ぶという声も増えていますね。SNSでも美容インフルエンサーたちが美容目的で渡韓しています。 そのような美容感度が高い方々の中では、韓国の美容医療のトレンドワードで『ジュべルック』という名前を見かけることが増えたのではないでしょうか?どうやらニキビ跡に効くらしいとか、毛穴が改善するらしいとかまだまだ施術として浸透していないかもしれませんが、ここ最近人気を高めています。今では韓国から日本にもジュべルックが入って

    この記事は、
    X CLINIC 恵比寿院
    上井廉絵医師が監修しています。

美容皮膚科(シミ、しわ、毛穴、ニキビ治療等)のコラムを見る

の治療カテゴリ