グロースファクターとは(概要・基礎知識)

グロースファクターとは、成長因子とも呼ばれる細胞を活性化させたり、増殖させたりする効果を持つたんぱく質です。さまざまな種類がありますが、美容クリニックで主に使われるのは、EGF(上皮成長因子)FGF (線維芽細胞成長因子)、KGF(ケラチノサイトグロースファクター)、IGF(インスリン様成長因子)です。いずれの成長因子ももともと体内にありますが、年齢とともに減少してしまいます。

EGFとFGFは、主に肌の悩みに使用されます。EGFは皮膚の表面部分である表皮の細胞に対してFGFは真皮層にある線維芽細胞に対して働きかけます。KGFとIGFは、毛髪再生療法に用いられます。KGFはケラチン(毛髪の主成分)へ、IGFは毛母細胞や毛乳頭へそれぞれ作用する成長因子です。

グロースファクターを使った代表的な治療には、注射でEGFやFGFを注入してシワやたるみ、目元のクマなどを改善する肌のアンチエイジング治療のほか、グロースファクターを頭皮に塗布してからダーマスタンプを押し当てて浸透させる毛髪再生治療などがあります。

また、グロースファクターは治療のオプションとして使われることもあります。ダーマローラーやイオン導入、PRP血小板療法、ケミカルピーリングなどの治療とグロースファクターを併用し、さらに効果を高めることが可能です。

グロースファクターが向いている人(こんなお悩みに)

・肌の若返りを希望する方
・毛髪再生を希望している方

ダウンタイム/経過

施術内容により異なります。
注射の場合、針が非常に細いため、痛みや腫れが最小限です。ダーマローラーやダーマスタンプは術後、赤みが残りますが翌日には消失します。
肌への治療で効果が現れるのは術後1週間程度。毛髪再生治療では1カ月に1度のペースで治療を受け合計4~6回の治療を受けることで効果が現れます。

費用

施術により異なります。毛髪再生の場合、1クール(8回)3~6万円程度、肌への治療では、EGF薬剤が1回分8,000~1万円程度。これにダーマローラーやイオン導入などの施術料金が加算されます。

リスク・副作用

注入量が多すぎると、しこりやでこぼこになることがあります。

【すぐに探せます![地域✕施術]全国おすすめクリニック一覧はこちら】

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

監修:

黒田愛美医師

美容皮膚科医

獨協大学医学部卒業。大学病院で経験を積み、都内美容クリニックを複数経験し院長も歴任。その後クリントジュネス、Zetith Beauty Clinic勤務、東京美容外科 沖縄院院長。
外科医として勤務する中で女性が活躍する乳腺外科に進み、乳房再建の手術から豊胸術に興味を抱き、美容医療の道へ進みました。身体の内からの治療、注入系のヒアルロン酸、ボトックスを得意としています。麻酔科標榜医。アラガン社メディカルアドバイザー。

⿇酔科標榜医
アラガンジャパン注⼊指導医など

獨協大学医学部卒業 
東京女⼦医科⼤学 内分泌乳腺外科⼊局
東京女⼦医科大学 麻酔科⼊局 
都内美容クリニック非常勤
都内美容クリニック院⻑
自由が丘クリニック美容外科・美容⽪膚科・美容内科⾮常勤
クリントジュネス勤務
Zetith Beauty Clinic副院長
東京美容外科入職
東京美容外科 沖縄院院長

エイジングケアの他の治療

エイジングケアに関連する記事

  • たるみ治療はレイヤー(層)で考える! レイヤーごとのたるみ治療方法

    たるみ治療といえば、最近ではハイフが1番人気のある施術かもしれません。ですが、もっとよく調べるとハイフ以外にもたくさんのたるみ治療があることに気がつくと思います。超音波、RF、ヒアルロン酸……一体自分的にはどれがたるみに効果のある治療なのか、調べても一般の方が理解するのはとても難しいと思います。 多くの治療を比較して、どの治療が自分に1番効果があるのか、皆さん迷ってしまうのではないでしょうか? 今回はそんなたるみ治療難民の皆さまに、クリニックではどういった考え方でたるみ治療を提案しているのか、ドクターはどこを診てたるみ治療をすすめているのか、そのひとつの極意をお伝えしていきます。 【監修医師からのワンポイント】たるみは年齢とともに進行し、誰しも避けられない変化です。たるみを完全に元通りにすることは難しいですが、個人に合った治療方法により、大きく改善したり予防的な効果が期待でき

    この記事は、
    PERSONAL BEAUTY CLINIC TOKYO 銀座
    川守田詩乃医師が監修しています。

  • 品川美容外科 新宿院 板井徹也医師【イケメン医師に会いたい! 第十一回】

    人気企画「イケメン医師に会いたい!」第十一回は美容医療を全国に提供し続けて31年、品川美容外科新宿院院長の板井徹也(いたいてつや)先生です。 俳優の玉木宏さんを彷彿とさせる爽やかな笑顔と落ち着いた優しい語り口調が印象的です。もともとは救急医としての経歴をもち、同期の医師からの誘いで美容医療に転身された板井先生。リピーターの患者様を大切にするクリニックの院長として、患者様と真摯に向き合い、クリニックグループ全体のことまで考えて日々の診療をされている姿勢が見えました。 板井先生に美容医療に対して感じていることや、話題の治療や流行しそうな美容医療について詳しく語っていただきました。 父親は頭が良く、真面目で生徒会長を務めるような人でした。医学部を目指していましたが、当時は医学部に行かせる資金がなく、進学を断念した父の願いを叶えたいと思いました ー医師を志した理由を教えて

    この記事は、
    品川美容外科 新宿院
    板井徹也医師が監修しています。

  • 綺麗なお尻を作る方法。筋トレ、エクササイズ〜美容クリニックまで

    皆さんは「キレイなお尻」というと、どんなお尻を思い浮かべますか?これまで女性が考える理想のお尻というと「小さくて目立たないお尻」と答える人が多かったのではないでしょうか。でも、最近はこんな風潮が少しずつ変わってきているようです。ここでは今どきのキレイなお尻を手に入れる方法について詳しく紹介していきます。 目次 1.モテにも直結する?男性も女性も憧れるキレイなお尻になる! 1-1.理想のヒップサイズ 1-2.理想のヒップの形 1-3.キレイなお尻は肌の質感も重要! 1-4.理想のヒップを持つ有名人 2.キレイなお尻を手に入れるためのセルフケア 2-1.キレイなお尻のためのエクササイズ

  • ヒアルロン酸製剤の種類と新しいヒアルロン酸製剤の解説、最近の施術傾向とは

    Contents ヒアルロン酸とは ヒアルロン酸を入れる場所 ヒアルロン酸の種類 最近のヒアルロン酸注入の傾向 まとめ ボトックスやヒアルロン酸製剤を用いた治療は美容皮膚科でも美容外科でも毎日たくさんの方が受けられている施術です。数年前まではボトックスやヒアルロン酸といってもまだまだ敷居が高かったり、存在すら知らない方がほとんどでした。 しかし、レーザー治療などで美容医療が広く一般的になってきたことによりボトックスやヒアルロン酸などの注入治療も身近な存在と感じるようになった患者さんが増えています。美容クリニックで勤務する看護師として肌の施術をしながらお話していると、「気になっているけれど私に合っているのかしら?」というお声をよくいただきます。また、ボトックスは定期的に受けているものの、ヒアルロン酸は価格がやや高いため悩んでいるという方も多くいらっし

    この記事は、
    Bellefeel Clinic新宿
    中務秀一医師が監修しています。

  • 女医がすすめる20代後半からのたるみ治療〜対談・原かや院長(八重洲形成外科・美容皮膚科)✕北条かや〜

    「25歳はお肌の曲がり角」なんていうけれど、当時はまだまだ若かった。30歳が近づくにつれ、気になる頬のたるみ、毛穴、目元……。アンチエイジングを始めるにはまだ早い気がするけれど、どんなケアをすればいいの?美容皮膚科・外科って怖くない?そんな疑問を解決すべく、八重洲形成外科・美容皮膚科院長の原かや先生にお話を伺ってきました。奇しくも先生は、インタビュアーの北条かやと同じ「かや」というお名前。勝手にご縁を感じ、対談は大盛り上がり。原かや先生にたっぷり、「ためになるアンチエイジングの話」を聞いてきましたよ!前編、後編に分けてお届けします。 ▼原かや先生、北条かやさん対談記事の後編や他の記事はこちら [ctb column] 若い人には、シミではなくたるみの治療がおすすめ 北条かや(以下H):先生は、形成外科のプロ、かつレーザー専門医・指導医でいらっしゃいます。今日は色々と、お肌のエ

    この記事は、
    八重洲形成外科・美容皮膚科
    原かや医師が監修しています。

  • 予防美容医療という概念。40〜50代の美肌とアンチエイジング

    アンチエイジング治療はいつからするべきか 実際にシミができてしまったり、しわができた。もしくはたるんでしまった。そうなってからそれを治すのは大変です。これは体の中のことと同じです。高血圧や糖尿病になってしまってそれを改善する大変さと比較して、なる前に食事など気をつけているほうがどれだけ楽かは少しずつ浸透してきています。 でも、まだ実際に予防美容医療を一生懸命やっている方はほぼいないのが現状です。女性、男性ともに、年をとってきて変わってしまった自分の見た目に衝撃を受けると一生懸命そこからがんばり始める方は多いです。 でも、治すのって1年前の自分に戻すだけでもかなり難しいのですが、1年たっても1カ月分しか年をとらせないのは楽なんです。多くの方に美容でも予防医療をすることによって美しい肌をキープしていってほしいです。 この症状がたるみのサイン 肌はた

    この記事は、
    六本木スキンクリニック
    鈴木稚子医師が監修しています。

エイジングケアのコラムを見る

の治療カテゴリ