エンライトンとは(概要・基礎知識)

エンライトン(SR/Ⅲ)はアメリカのキュテラ社が開発した医療用レーザーです。アメリカのFDAの認可を受けているピコ秒レーザーで、その安全性は日本でも認められ、厚生労働省の承認医療機器となっています。

エンライトンは1064nm(ナノメートル)、532nmの波長を持っており、シミ、毛穴、タトゥー除去などを得意としています。従来の機器でも同じ波長を持つものはありましたが、大きな違いはレーザーの照射速度です。これまでのナノ秒レーザー(10億分の1秒)に比べ、エンライトンはピコ秒(1兆分の1秒)という極めて短い時間でレーザーを照射します。

短い時間での照射が可能となったことでタトゥーやシミの色素などのターゲットとなる箇所にアプローチしつつ、周囲へのダメージは軽減されるようになり、治療中の痛みや施術後の赤みや点状出血のリスクが少なくなりました。

またナノ秒レーザーに比べて色素をより細かく砕くことができるようになったため、ダウンタイムが少なく、仕上がりの質も向上しました。

エンライトンには照射方法を変えることで3つの治療を行うことができます。一つ目はシミや肝斑に効果的な「ピコトーニング」、二つ目は小じわやニキビ跡、肌質改善に効果的な「ピコフラクショナル」、三つ目はシミやタトゥーに効果的な「ピコスポット」です。

いずれの施術も美容治療のレーザーでは痛みやダウンタイムが少なくて済む治療法のため、気軽に治療をしてみたいという方にはおすすめの機器といえます。

エンライトンが向いている人(こんなお悩みに)

・シミ、そばかすが気になる方
・肝斑、ADMが気になる方
・ニキビ跡が気になる方
・毛穴の開きが気になる方
・タトゥー除去をしたい方
・痛みやダウンタイムの少ない治療を受けたい方
・化粧のりを良くしたい方
・くすみが気になる方
・肌の透明感が欲しい方

ダウンタイム/経過

施術直後から洗顔やメイクは可能ですが、患部の刺激が気になるようであれば無理せず落ち着くのを待ってから再開してください。

シャワーも当日から可能ですが、血行がよくなると肌の赤みが出やすくなるため短時間で済ませるようにしてください。
施術後は肌が敏感になっているため保湿とUVケアは念入りに行うようにしてください。

ピコスポットの場合、レーザー照射後は患部が一時的に白くなったり、黒くかさぶたのようになったりします。1週間程度で新しい皮膚となり、自然にかさぶたがはがれます。

色素沈着のリスクを防ぐためにも、日焼け止めを塗り、紫外線対策を行いましょう。

費用

ピコトーニング:全顔1回20,000〜50,000円
ピコフラクショナル:全顔1回30,000〜50,000円
ピコスポット:範囲、個数による 1個5,000円〜

リスク・副作用

・赤み、ひりつき
・むくみ
・乾燥
・色素沈着
・色素脱失

【監修医師からのワンポイント】

今やシミ取りレーザーの代名詞となった、大人気のピコレーザーですが、魔法をかけたように綺麗にシミが必ず取れる、というわけではなく、実は診断が非常に重要です。特にエンライトンはキレが良く効果が高いため、照射の適応となる方にはとても良い反応をしますが、一方で強い色素沈着が起きる方もいます。またアフターケアも結果に大きく関わってくるため、診断やアフターフォローをしっかりしてくれるクリニックを選びましょう。



【すぐに探せます![地域✕施術]全国おすすめクリニック一覧はこちら】

*本記事内でご紹介した治療機器、施術内容は、個人の体質や状況によって効果などに差が出る場合があります。記事により効果を保証するものではありません。価格は、特に記載がない場合、すべて税込みです。また価格は変更になる場合があります。記事内の施術については、基本的に公的医療保険が適用されません。実際に施術を検討される時は、担当医によく相談の上、その指示に従ってください。

監修:

寺井美佐栄医師

MiSA Clinic六本木本院

産業医科大学医学部卒。複数の美容クリニックにて10年の院長経験を積み、2022年MiSA Clinic六本木本院開院。
メスを使わない美容施術、シミ、シワ、たるみなど、エイジングケア治療を得意とする。

2004年 産業医科大学医学部卒業
2004年 労働者健康福祉機構 東京労災病院
2006年 東京女子医科大学付属女性生涯健康センター
2013年 都内美容クリニック
2014年 上記クリニック院長就任
2019年 都内美容クリニック院長
2022年 MiSA Clinic六本木本院開設

美容皮膚科(シミ、しわ、毛穴、ニキビ治療等)の他の治療

美容皮膚科(シミ、しわ、毛穴、ニキビ治療等)に関連する記事

  • 現場を熟知する美容ナースによるピコレーザーのおさらい。実際結果が出た相乗効果がある治療も解説

    Contents そもそもレーザーとは? ピコレーザーの基本 ピコレーザーでできる治療 ピコレーザーの機械の種類と特徴 ピコレーザーと相乗効果のある治療 ピコレーザーのその他の治療法 まとめ シミ治療や毛穴治療を検討されたことがある方はピコレーザーというワードを聞いたことがあるのではないでしょうか? 似たような機械でQスイッチレーザーというものがあり、以前シミ取りをQスイッチレーザーで受けたという方もいると思います。 今回はよく耳にする「ピコレーザーってつまり何?」「ピコレーザーの中にも色々な種類があるけど違いはあるの?」「Qスイッチレーザーなどの他のレーザーとの違いは?」など基本的な疑問から少し難しいところまで、現役美容ナースの日々の治療経験をベースにお伝えしていきます! 【監修医師からのワンポイント】従来のQスイッチレーザーと比較して、機種

    この記事は、
    TANAKA SKIN CLINIC
    田中陽奈医師が監修しています。

  • フラクショナルレーザーのリスクや気になる痛み、ダウンタイムを実際の詳細経過から解説

    Contents フラクショナルレーザーってどんなレーザー? フラクショナルレーザーの種類 フラクショナルレーザーを使用する治療 ニキビ跡、傷跡の治療とフラクショナルレーザー フラクショナルレーザーのリスク フラクショナルレーザーの治療中の痛み フラクショナルレーザーのダウンタイム フラクショナルレーザーの実際のダウンタイム経過の体験談 フラクショナルレーザーの施術間隔 フラクショナルレーザーの治療回数 おわりに 美容医療業界には様々なレーザー治療があります。その数は膨大で、一般の方では、そもそも治療名なのか機械名なのかさえもわからないといった場合が多くあるのではないでしょうか? 肌の悩みで調べてみても多くの治療法や機械の種類から、どれを選択したら良いのか迷ってしまいますよね。 そのような中で、毛穴の開きや肌の質感、ニキビ跡、特に

    この記事は、
    ガーベラ美容クリニック
    辻川麻実医師が監修しています。

  • ケミカルピーリングを受けられない人、注意点のまとめ

    ニキビや吹き出物、毛穴詰まりに効果的であるといわれているのが、美容皮膚科などの医療機関で受けることができるケミカルピーリングです。ケミカルピーリングは表皮に溜まっている古い角質を薬品の力を借りて軟らかくし、無理なく剥がすという方法であるため、適切に行うことによりお肌のターンオーバー周期を正常化させる効果を期待することができます。ですが、ケミカルピーリングを受けるに当たっては注意が必要で、ケミカルピーリングを受けることができない人も存在しています。 【監修医師からのワンポイント】 ケミカルピーリングは、ニキビや小さいシミ、小ジワの改善など様々な効果が期待できる治療です。治療中の疾患のある方、妊娠中の方など以外にも、角質が痛んでいると、ピーリングが予想以上に深くなりますので、前日の顔剃り、パック、スクラブ洗顔は避けるようにしてくださいね。 ケミカルピーリングを受けるこ

    この記事は、
    PRIMA CLINIC (プリマクリニック)
    佐藤亜美子医師が監修しています。

  • ニードルRFの人気機器ポテンツァとは。ドラッグデリバリーなど様々なモードも解説

    「ポテンツァ」というワードを最近、美容医療業界では頻繁に耳にするようになってきました。美容医療の中ではニードルRFといえばポテンツァというくらい有名になった機械ですが、まだまだ新しい機械ですので、初めて耳にする方も少なくはないでしょう。 ニードルRFにもシルファームやモフィウスといった機械がありますが、どのように違うのかがわかりにくいというお声も多く、今回は同じニードルRFでもそれぞれどのような特徴があるのかについて細かく解説していきます。 ポテンツァはここ2〜3年で広まってきた新しい機械ですが、東京や大阪を中心に導入している美容クリニックが増加し続けています。なぜこのように人気になったのか、ポテンツァとはどのような機械なのでしょうか? 【監修医師からのワンポイント】ポテンツァはニードルRFということで毛穴やニキビ跡の凹凸など、質を良くする治療ではありますが、同時に血

    この記事は、
    麗ビューティー皮フ科クリニック
    居原田麗医師が監修しています。

  • 傷跡・ケロイドができる原因と治療法をタイプ別に解説

    傷跡やケロイドを治したいと思っている方は多いのではないでしょうか? ケガや水ぼうそう、ニキビ、手術、帝王切開、火傷、リストカットなどみなさんどこかに程度の差はあれ傷跡があるかと思います。そもそも傷跡とケロイドの違いってなんだろう、治療法はどんなものがあるのかといった疑問に対して全てお答えしていきます。 また美容医療は自分の外見に自信を持たせてくれたり、より綺麗になることで嬉しい効果が沢山あります。しかし医療行為であり施術を受けるにあたってどうしてもリスクとして傷跡やケロイドは上がってくるかと思います。施術の効果とリスクどちらも知って選択することが大切なため美容医療を検討している方はぜひご一読頂けると有難いと思います。 【監修医師からのワンポイント】瘢痕(傷跡)なのか、ケロイドなのか。近年、連続した病態であることが示唆されていますが、その治療方法や難易度から臨床的には区別した方

    この記事は、
    TRUE.ginza
    岩田勇児医師が監修しています。

  • 鼻のブツブツってなんでできるの? 綺麗に除去する方法まで解説!

    年齢や性別に関係なく気になっている人が多い「鼻のブツブツ」。 鼻のブツブツがあるとメイクは綺麗に決まりにくいし、なんだか清潔感に欠ける印象に。そして鼻は顔の中心部分なので他人から目につきやすく、接近戦では特に目立ってしまいます。 そんなみんなのお悩みである鼻のブツブツを綺麗にするための正しいケア方法をご存じでしょうか?実は綺麗にしようとしているのにもかかわらず、間違ったケアをしてしまっている方々も少なくはありません。 今回は鼻をツルツルにする方法についてご紹介していくので、鼻のブツブツでお悩み中の方は是非最後まで見てみてくださいね。 【監修医師からのワンポイント】毛穴は美容のご相談でも常に上位にあがってきます。毛穴つまりを起こしにくい生活を普段から心がけることが重要。食事やスキンケアが直結します。スキンケアだけでもお肌は見違えるように変わります。 鼻

    この記事は、
    美容皮膚科医
    田中美紀医師が監修しています。

美容皮膚科(シミ、しわ、毛穴、ニキビ治療等)のコラムを見る

の治療カテゴリ